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第35次LJ=パロッシ元大臣も逮捕=立て続けにPT政権2財相=オデブレヒトとの贈収賄疑惑

逮捕されるパロッシ容疑者(Antonio Cruz/ABr)

逮捕されるパロッシ容疑者(Antonio Cruz/ABr)

 26日午前、連邦警察による第35次ラヴァ・ジャット作戦で45司法命令、3人の逮捕などが敢行され、ルーラ政権で財相、ジウマ政権で官房長官の要職を務めたアントニオ・パロッシ容疑者(労働者党・PT)が逮捕された。一時はPT政権内でも「大統領に最も近い男」と称され、「ルーラ氏の参謀」的な政治家だった。地方統一選挙投票日を目前に控え、22日にマンテガ、26日にはその前職のパロッシと、PT政権の元財相が立て続けに逮捕される異例の展開になっている。26日付伯字紙が報じている。

 パロッシ氏はPT内部で将来を嘱望され、一時は具志堅ルイス氏(2013年死去)、当時の官房長官で後にメンサロン、LJ共に実刑判決を受けたジョゼ・ジルセウ氏と並んで「ルーラ氏の三大参謀」と呼ばれる中軸的存在だった。
 2003年1月のルーラ政権誕生のときに42歳の若さで財相に就任、FHC時代を引き継いた堅実な経済政策で高い評価を得た。ところが汚職の噂が絶えず、06年3月には、90年代にリベイロン・プレット市長時代に行なったと疑われる不正入札の疑惑が浮上し財相を解任された。
 10年ジウマ大統領選の選挙参謀のひとりをつとめた功績もあり、第1期ジウマ政権の官房長官に就任。半年後の7月、自己資産が2006~10年に20倍になったことを疑われ辞任した。
 今回パロッシ容疑者とその部下のブラニスラフ・コンチッチ容疑者らが逮捕されたのは、2006~13年にオデブレヒト社の公共工事受注に口を利いた見返りに賄賂を受け取った疑惑だ。
 決め手は、オデブレヒト社から発見された賄賂の分配表で、うち「イタリアーノ」と名付けられた人物がパロッシ容疑者と目されている。2008年から13年末までにPTや党員所有の企業に総額で約1億2800万レアルの振込みが確認されており、パロッシ容疑者に対しては13年10月時点で7千万レアルの振込みがあったという。
 そこにはPTがルーラ研究所の土地を購入した際、同容疑者が受けた賄賂も含まれているのが確認されている。同土地の購入の仲介をオデブレヒトがしていた。
 パロッシ氏の電話やメールでこれらの賄賂が確認され、オデブレヒトとの交渉が絡んでいると連警はにらんでいる。その交渉には、2009年に発行された暫定令(MP)460や、ペトロブラスの岩塩層下油田用掘削船21機といった事業も含まれている。オデブレヒト社は前者でアフリカでの事業に関しBNDESからの巨額融資を受け、後者で有利な落札を行なっている。
 今件以外でもパロッシ容疑者は、LJで最初に報奨付供述をしたパウロ・ロベルト・コスタ容疑者、ルーラ氏の選挙参謀だったジョアン・サンターナ容疑者などからの供述でも名前が出ている。逮捕された3人は午後2時ごろ、連邦警察の専用機でクリチーバに護送された。