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ブラジル・ユーバー=サンパウロで運転手が銃殺される=安全性確保を求め抗議も

 22日の午後10時頃、サンパウロ市南部サコマン地区アントニオ・デ・ロトゥーフォ街で、ユーバーのドライバー、オズワルド・モドゥーロ・フィーリョ氏(51)が射殺され、サンパウロ市警が捜査に当たっていると24日付現地紙が報じた。
 利用者にとってはスマートフォンで安く呼べ、ドライバーにとっては気軽にタクシー営業を行えるシステム「ユーバー」。既存のタクシー会社との競合のみならず、故意に呼び出して暴行するといった妨害行為に悩まされてきたが、殺人事件に発展している。
 証言によると、現場に黒塗りのユーバー車が来て、乗客を装った犯人が運転手に発砲。その後、制御を失った車は樹木と一般家屋に激突した。犯人はなおも発砲を続け、逃走したという。
 23日午後、500人のユーバー運転手がサンパウロ市西部パカエンブー競技場前、チャールズ・ミラー広場に集い、運転手への安全性確保を求め抗議集会を行った。
 運転手らは、同所よりユーバー本部のあるバーラ・フンダ地区まで車両で行進した。要求は「現金受領を廃止し、支払いをクレジットカードに限るべし」というものだった。
 運転手達はユーバーが現金受領を始めた約2カ月前から、運転手を狙った強盗が目に見えて増えてきたとしている。さらに、3割の運転手は抗議の意思として、同日深夜12時まで営業を行わないとした。
 ユーバー社は文書で「被害者とその遺族に哀悼と慰めの意志を示す」とし、さらに「不退転の決意で捜査にあたり、犯人を必ず逮捕する事を捜査当局に要求する」と表明した。