来年3月に行なわれる野球の世界一決定戦、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への出場をかけ戦ったブラジル代表が、予選で姿を消した。4カ国の勝ち抜き戦で争われる予選でイスラエルに敗れ、敗者復活戦に回った24日には英国に3―4で惜敗。前回の初出場に続く本大会進出は叶わなかった。
ブラジルが臨んだ予選第4組は英国、イスラエル、パキスタンが同居する。米国ニューヨークで22~25日、敗者復活制のある勝ち抜き戦で本選出場1枠が争われた。初戦パキスタン戦は10―0(7回コールド)で圧勝(24日付け既報)。翌日には英国を下したイスラエルと、決勝進出をかけ対戦した。
0―0で迎えた4回表、2死二、三塁の好機をブラジルが逃すと、その裏に二塁打、一塁失策でピンチを招き、5番打者の中犠飛でイスラエルが先攻した。
8回には2死一、二塁の好機を迎えたブラジルだが、あと1本が出ず。9回は相手の抑え投手を前に三者凡退。0―1で敗れ、敗者復活戦に回ることになった。
勝てば決勝進出となる英国戦。先発はアチバイア野球クラブ出身でブラジル人初のメジャー投手、アンドレ・リエンゾ(マーリンズ傘下)に託された。打線も攻撃的に編成した采配が功を奏し、3回表には先制に成功する。2死から単打でつなぎレオナルド・レジナット(ツインズ傘下)の右前適時打で2点を先取した。
しかしその裏にリエンゾが乱れた。安打、ボーク、二塁打を許すとさらに死球で無死満塁に。気迫の投球で2者連続三振を奪うが、4番打者に死球を与え失点。さらに先制打を放った遊撃手レジナットの失策で、2点を奪われ逆転を許した。
その後は両軍とも1点ずつを加えるも、反撃もここまで。3―4で敗戦しまたも1点差に泣いた。現地へ観戦に訪れているアチバイア野球クラブの辻修平さんは、イスラエル戦も踏まえ「惜しくも涙を呑む悔しい試合だった」と肩を落とす。
英国の安打6に対しブラジルは12。「8回の好機を生かせず、9回は2死から盗塁刺殺で試合終了。あと味の悪い終わり方になった。何かやり残した事がありそうで、不完全燃焼の印象がしてならない今大会だった」と総括した。
前回2013年大会ではコロンビア、ニカラグア、パナマとの中南米予選を勝ち抜いたブラジルだったが、今大会は本選出場とならなかった。なお9―1で英国を下したイスラエルが、本大会への切符を手にしている。
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ブラジルが敗退したWBC予選。当国が屈した英国、イスラエル両軍のメンバーを見ると、メジャー予備軍(マイナーリーグ)の選手が多かったようだ。野球通によれば、中にはメジャー所属の者もいたよう。ブラジルはヤン・ゴメス、パウロ・オルランドの両メジャーに、広島カープで奮闘する仲尾次オスカルの不在が敗退に響いたかもしれない。