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リオ市=市警が麻薬密売人ボス射殺=病院脱出から3カ月後に

 リオで最も悪名高い麻薬密売人のボス「ファット・ファミリー」(FF)ことニコラス・デ・ジェズス容疑者(28)が、26日にリオ市警によって行われた作戦により死亡したと26、27日付現地紙やサイトが報じた。
 上空からのヘリの援護のもと、リオ市警は同容疑者をリオ都市圏サンゴンサロのサルゲイロ複合スラム街に追い詰めた。密林に身を隠そうと試みたが、追跡する警察との銃撃戦で死亡した。彼の手下4人のうち2人も死亡した。
 五輪開幕前の6月19日未明、同容疑者は入院先のリオ市内の病院から、手榴弾や自動小銃で武装した手下グループによる「救出作戦」で逃げ出した。それ以来、指名手配犯の中でも、最もリオ市警から狙われた犯罪者となっていた。
 今回の作戦を指揮したオリベイラ警部は、「1カ月前から、彼がサンゴンサロのサルゲイロ複合スラムに潜伏している事を掴んでいた。26日朝に彼が間違いなくいるという場所も25日には特定できた。上空のヘリから人の体温を感知するレーダーで居場所が詳細に分かったので作戦を決行した」と語った。
 密売人の一味はライフルで武装し、特殊部隊の隊員に反撃してきたが、同容疑者は胸部に銃弾を2発受けて死亡した。市警の発表によると、3丁のライフルと大量の薬物が押収された。
 同容疑者に関する情報提供者には3千レアルの褒賞金が約束された密告電話サービスには、この3カ月で238件の情報が寄せられていた。
 同容疑者はリオ市南部のカテーテ、グロリア地区にある、サントアマーロの丘を根城としていた。彼が死亡した直後、手下の密売人達は武器を持って同地区の商店に服喪令を出してまわり、パン屋、飲食店などは次々と閉店させられた。