ブラジル日本文化福祉協会の国際民族舞踊委員会(林アンドレ実行委員長)主催による「第45回国際民族舞踊祭」が24、25の両日、文協大講堂で開催され、各国移民の子孫、関係者らが自国の伝統舞踊を披露し会場を華やかに彩った。来場者数は2日間で2500人、出演者は23カ国33団体、約1千人が様々な文化を発表し楽しんだ。
台湾「エスコーラ・サン・コンフーシオ」の発表
ブラジル移住開始125周年と、ソ連崩壊による祖国独立25周年を祝うウクライナのコミュニティが、両日とも開幕を飾った。初日には同国名誉領事が挨拶し、コミュニィの舞踊団が、ドラム、ピアノ、タンバリンなどの楽器隊に合わせて、明るく開放的な伝統舞踊が披露され、会場から手拍子や歓声が上がるなど、開演に相応しい盛り上がりとなった。
台湾の「エスコーラ・サン・コンフーシオ」(サンパウロ市ビラ・マリアーナ区)は初日2番目に出演。19人の小学生、中高生が2組に分かれ、ウクライナの陽気な演目と打って変わり、穏やかで神秘的な音楽と舞を披露し会場を魅了した。
同チームの小学生らを指導したメアリー・シェンさん(36)は「恥ずかしがっているところもあったが、楽しめたと思う。もっと台湾の民族性を表現できるようにしたい」と語った。
客席はほぼ埋まり、立ち見客も出るほどの盛況を見せた。ポルトガルは総勢30人の団体で舞台を埋め、バンドの演奏とともに踊り歌って会場から手拍子を誘った。
日本はレプレーザ連が徳島阿波踊り、レキオス芸能太鼓(同市ヴィラ・カロン区)は沖縄舞踊を発表した。レプレーザ連は30人のダンサーを男女に分けた。女性陣の艶やかな踊りと男性陣の激しい動きで会場を圧巻、また、全員が手に持った扇をあわせブラジル国旗、日本国旗を見せ会場から大きな拍手と歓声を浴びた。
林委員長は45周年を迎え、「また今年も開催できて嬉しい。今日踊っている子らは45年前の出演者の子孫。伝統の継承を見られることは、この祭の委員長として感慨深い」と喜びを語った。
母・籠原マサコさん(82、二世)と来場していたリエさん(53、三世)は息子の阿波踊りを鑑賞した。「どの国も素晴らしかったが、やっぱり阿波踊りが一番。ボリビアの歴史を表した演目も良かった」と語った。マサコさんも「ホールの各国料理も良かったです。どこの国か忘れてしまったけど、トルタが美味しかったわ」と大満足の様子だった。
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国際民族舞踊祭では、リトアニアは作物の種まきと収穫を表現する民族舞踊を披露し、ロシアの発表ではコサックダンスが披露されるたびに会場から歓声と拍手が起きた。ボリビアは先住民族の王の結婚式をテーマに羽の付いた大きな頭飾りを振り回しながら踊った。最後にスペインの兵士が現れ、王が服従する歴史的な演出に会場から歓声とともに拍手が贈られた。移民集住都市サンパウロの面目躍如といえるイベントだ。