毎年ダボス会議を主催している団体「世界経済フォーラム」(WEF、本部スイス)が27日夜、国際競争力ランキング(2016年付)を発表し、ブラジルは15年の75位から81位に順位を下げたと28日付現地紙が報じた。
ブラジルの調査を担当したカルロス・アルーダ教授によると、現行の評価基準を採用してからの20年来、ブラジルの順位が今ほどまでに低くなったことはない。12年に48位の最高評価を受けてから、わずか4年で33ポイントも順位を下げた。
調査結果の詳細を見ると、ブラジルの強みである「市場規模の大きさ」と、弱みである「難解な税制」「不安定な社会インフラ」などの評価は横ばいだった。しかし、「政治の信頼性」の部分が大きく評価を下げ、それに引きずられるようにしてブラジルの順位は下がった。
アルーダ教授によれば、ブラジルの「政治の信頼性」は全体で最下位の138位だった。この調査はジウマ前大統領が停職となった、今年の5月12日の段階で締められており、テメル新政権に代わった影響は反映されていない。
Brics諸国と比較してもブラジルは最下位だった。最上位中国は、横ばいで28位、インドが16ポイントアップの39位、ロシアと南アフリカが、それぞれ2ポイントアップの43位と45位だった。
アルーダ教授は、テメル新政権の目指している、年金制度改革、公的支出抑制、労働法改正、インフラ整備・運営権の民間譲渡が進めばブラジルの評価は来年大きく持ち直すと見ている。