ゴイアス州のジョゼ・エリトン副知事と、同州イトゥンビアラ市長選挙候補者のジョゼ・ゴメス氏(労働党・PTB)が28日の午後、イトゥンビアラ市で遊説中に銃撃され、ゴメス候補は死亡、エリトン副知事は負傷したと29日付現地紙が報じた。今回のブラジル統一地方選は、12州で立候補者への暴力事件がおきており、中でもリオでは市議会議員候補の15人殺害が目立っている。治安当局は10月2日の選挙当日、11州266市で総勢2万人の軍を動員して特別警戒にあたると発表している。
2005年から12年まで、2期連続で同市市長を務めた経験もあるゴメス候補は銃撃の後、市内の病院に運ばれたが、程なく命を落とした。
また、腹部に2発の弾丸を受けたエリトン副知事は、市立病院で緊急手術を受けた後、ヘリで州都ゴイアニア市に運ばれ、入院した。副知事の容態は安定している。
現在マルコーニ・ペリッロゴイアス州知事(PSDB)はカナダ、米国を訪問中で、副知事は「知事代行」を務めていた。
28日の午後6時ごろ遊説車両と反対車線に停車していた黒い車から男が降り、街宣車に支持者と共に箱乗りして遊説中のジョゼ・ゴメス候補に向かって発砲し始めた。
犯人は警備の軍警との銃撃戦で死亡。その後身元は、イトゥンビアラ市保健局に勤めるジウベルト・アマラウ容疑者(53)と判明した。動機はまだ明らかになっていない。また、犯人との銃撃戦で、軍警のバニルソン・ロドリゲス伍長も死亡した。
ゴイアス州政府広報によると、ゴメス候補者と、支持者達と共に車にいたイトゥンビアラ市法務担当セリオ・レゼンデ弁護士も負傷した。
米国滞在中に、事件の知らせを受けたペリッロゴイアス州知事は「卑劣な政治テロ行為で、優れたリーダーシップを持った政治家が犠牲になった」との声明を発表し、外遊を急きょ切り上げて帰国の途に就いた。
今年のブラジル統一地方選では、単なる怨恨沙汰から政治的な背景があるものまで様々な立候補者絡みの暴力事件が多発し、異例の荒れた選挙運動期間になっている。