ブラジル日本商工会議所(松永愛一郎会頭)の定例昼食会が16日、サンパウロ市内のホテルで開催された。ピアウイ州のウェリントン・ジアス知事を招き、同州の概要やビジネス機会をPRした。
北東部に位置するピアウイ州。ウェリントン知事は3期目を迎えている。就任当初は開発の遅れが目立ったが、「官民合同計画によって投資を呼び込み、農業フロンティアとして高い成長を遂げてきた」と話し、16%の年間所得向上を達成しているという。
それに伴い、就任当初は0・4だった人間開発指数も、3期目には0・7まで向上。「貧困撲滅に成功した州として大変誇り」と成果を報告した。その後は農畜産業、鉱業、インフラ、再生可能エネルギーなど多岐にわたる分野に触れ、整備されつつある社会基盤の紹介もなされた。
「ほとんどの州が沿岸に都市を構えるが、州都テレジーナは内陸にある。北部と北東部両方に手が届く物流の分岐点として競争力がある」と立地をアピール。「経済成長のための社会的基盤は整ったが、投資を必要とする有望な事業計画がいくつもある」と訴え、「知名度こそ低いがビジネス展開における課題を一緒に解決し、最大限援助する準備がある」として日本企業進出を歓迎した。
冒頭、松永会頭は「華やかな五輪の裏側で、大統領弾劾が決定するなど非常に動きの多い時期が過ぎた。いよいよ潮目の変わり時か。実際の変動にはまだタイムラグはあるだろうが、景気の波に乗り遅れないように万全を期したい」とあいさつ。州知事の講演に対しては、約120人の会員が熱心に耳を傾けた。