9月29日、サンパウロ市市長選前の最後のテレビ討論会がグローボ局で行われた。ダッタフォーリャが9月23日に発表した支持率調査では30%で1位だったジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)への質問はほとんど出ず、決選投票進出を狙うフェルナンド・ハダジ現市長(労働者党・PT)とマルタ・スプリシー上議(民主運動党・PMDB)が互いに批判しあう光景が見られた。9月30日付現地紙が報じている。
この日、同調査で支持率3位(15%)のマルタ氏は、討論がはじまって間もないときにドリア氏を相手に選んで話したが、ドリア氏を直接攻撃するのでなく、名指しを避けた上でハダジ氏や現在の市政を皮肉った。マルタ氏は「CEU(教育統合センター)を20作るといってひとつだけ。保健所(UBS)も49作るといったが、目標には及びもしなかった」と発言し、「私が市長の時(2001~04年)はCEUを14作ったのに」と語った。
これに対し、ドリア氏はハダジ氏もマルタ氏も批判せず、「CEUは良いプログラムだった」としてマルタ氏をほめるにとどまった。
一方、支持率が11%と若干上向き、マルタ氏に迫りつつあるハダジ氏は、マルタ氏を相手取って、「環境車検を義務化させたいというのは本当か。それはジルベルト・カサビ前市長の入れ知恵か」と質問した。これはマルタ氏の副候補のアンドレア・マタラゾ氏が、カサビ氏が党首をつとめる社会民主党(PSD)員であることへの皮肉も込められている。
これに対しマルタ氏は「義務にはしないが、車検を受ける人が多ければ多いほど、街の大気は綺麗になる」と答えた。
マルタ氏は、かつてのPTでの先輩でもある元市長(1989~92年)のルイーザ・エルンジーナ下議(社会主義自由党・PSOL、現在支持率5位)からも批判を受けた。同下議は「あなたはテメル政権に盲目的に従っているように見えるが、そんなことでは市政はつとまらない」と語ったが、マルタ氏は「現在の危機を生んだのは交代したばかりのテメル政権ではなく、ジウマ政権だ」とPT政権を批判した。
エルンジーナ氏はドリア氏に対しても、ドリア氏の会社は公共事業を請け負って公金を受け取ったのに、公社の民営化を支持するのかと攻撃したが、ドリア氏は「あなたの元市長としての実績は尊重するが、私の政策はもっとモダンで実情に即している」といなした。
支持率2位(22%)のセウソ・ルッソマノ下議(ブラジル共和党・PRB)は、この日はハダジ氏の市政を批判した以外は、「動物病院の数を増やしたい」と発言したくらいで、多くは語らなかった。同氏はウーベルやテメル政権の労働時間改正に関する失言で支持率を落としている。
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