コロンビアで半世紀以上にわたって続いていた内戦を終結するために同国政府と反政府ゲリラが結んだ合意内容の是非を問う国民投票が2日に行われ、50・21%対49・79%と僅か0・42%差で否決されたと3日付伯字各紙・サイトが報じている。
今回の国民投票は、9月26日に同国カルタヘナでサントス大統領と、コロンビア革命軍「FARC」のロンドーニョ司令官の間で結ばれた和平合意文書を承認するためのものだった。
しかし、これが否決されたことで、国連の潘基文事務総長やケリー米国国務長官を始め、中南米各国首脳の列席の下で署名された和平合意は、水泡に帰すこととなった。
国民投票の結果を受けてサントス大統領は、大統領府で緊急会議を招集した後、FARCとの停戦協定は引き続き有効とした上で、「僅差とはいえ、否決されたのは事実だ。だが、この事で和平交渉は止まらない。任期が終わる瞬間まで、FARCとの和平合意締結を目指す。なぜならば、それこそが将来を担う世代に平和を遺す唯一の道だからだ」と演説した。
FRACのロンドーニョ司令官はその直後、キューバの首都ハバナで「和平を望む意志は変わらず、武器ではなく対話をもって未来を構築していく」とのメッセージを発表した。
国民投票で「合意にNO」を推進したウリベ元大統領も、「我々の愛する祖国の民意が、『(恩赦や議席確保などの歪んだ条件を盛り込んだ)合意承認』を押し付ける政府からの圧力をはねつけた。我々も平和を望んでいる。新たな合意を結ぶべき」との声明を2日の夜、発表した。
サントス大統領は、国民投票で反対票を投じた勢力の意見も取り入れつつ、和平合意の条文見直しを行う意向で、3日には既に政府側交渉団をハバナに再派遣した。