《ブラジル》最高裁=二審判決後の刑執行を承認=最高裁判事6対5のきわどい判断=「捜査に勢い」歓迎の検察

ブラジル連邦最高裁(STF)は5日、控訴審(第二審)で有罪判決が出た場合、上告審を待たずに、被告への刑の執行を開始する法案を承認したと6日付ブラジル現地紙が報じた。最高裁判事11人全員参加の採決が行われた結果、6対5で同案への賛成がわずかに上回った。2月17日に出された同案件の採決結果(2月は7対4で承認)を踏襲するものとなった。
2月に出された最初の最高裁判断に対し、ブラジル弁護士会(OAB)と、ブラジル全国エコロジー党(PEN)は「推定無罪の原則に反する」と訴訟を起こしていた。
当初賛成票を投じた判事はエジソン・ファシン、ルイス・ロベルト・バローゾ、テオリ・ザバスキ、ルイス・フクス、ジルマール・メンデスの5氏。5対5で同数になったため、カルメン・ルシア長官がミネルバ票を賛成に投じた。
賛成票を投じた判事が重要視したのは、有力者ほど有能な弁護士を雇う結果、上告状態が延々と続いて、いつまで経っても刑が執行されず、国民に不満がたまっていた点だ。最終判決を待たずに二審の有罪判決を受けて刑執行を開始することで、「犯罪者が一向に処罰を受けず、まるで免罪状態」との現状を打破することに配慮した。
反対票を投じた判事は同案報告官のマルコ・メッロ、ローザ・ウェベル、ジアス・トッフォリ、リカルド・レバンドフスキ前長官、セルソ・デ・メッロの5人だった。
控訴審後に刑執行開始を可能とする決定は、政界汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦に勢いをつけるため、検察側は最高裁の決定を支持している。刑執行が早まるため、褒奨付き供述人が、積極的に捜査に協力する動機、利点が強まった。
4日、パラナ州連邦地裁でLJ作戦関連裁判を担当するセルジオ・モーロ判事は、「これまで有罪確定から刑執行までが長すぎたために、重要な刑事事件の決着が間延びし、被告への刑罰のインパクトも緩慢なものになっていた」と語っている。