ミシェル・テメル大統領夫人のマルセラさんが5日、連邦政府の発表した福祉政策「クリアンサ・フェリース(幸福な子供)」の発表会で、公の場での初演説を行なった。同夫人の参加で政府としてはイメージ・アップを望むところ。6日付現地紙が報じている。
これはテメル政権の新福祉政策のひとつ。ボウサ・ファミリアを既に受給している家庭で「0~3歳までの子供を抱える家庭」に対し恩恵を施すもの。
同政策キャンペーンの一環として、彼女が特別大使的な役割で参加することになった。テメル氏との子供であるミシェルジーニョ君がまだ7歳と幼く、子育て上、今回の受給対象となる母親と立場が近いことから白羽の矢が立ったようだ。
彼女が公の場で演説を行なうのは、テメル氏が副大統領だった時代も含め初のこと。当初は声が上ずるなど緊張した様子を見せたマルセラさんだったが、自らの体験上、生まれて数年間の時期の子育てがいかに大切かを、自分の言葉で感情を込めて訴えた。
さらに彼女は、「国民が国の発展のことを気にかければ気にかけるほど、私たち政府の責任は重くなり、より厳しい挑戦にもなる」と連邦政府に気を使う発言を行ない「今回の任務にボランティアでの参加になるが、国民の社会生活向上に貢献できるのは光栄だ」と語った。
政府が期待しているのは、彼女の参加で知事や市長の夫人らも一緒になってキャンペーンを盛り上げること。
さらに、テメル政権に対してのイメージ・アップの問題もある。テメル政権は5月12日の暫定政権の発足時から「女性閣僚がいなくて性差別的」「労働者党(PT)が行なっていた福祉政策はなくなるのでは」との不安の声を受け続けている。その印象を、若さやファッション面などで高感度の高い彼女を起用することで払拭したい狙いもあるようだ。
ただし、農業社会開発省により17年に10億レアル、18年に20億レアルの支出が見込まれていたこの政策だが、それぞれ3億レアル、8億レアルと早くも予算が縮小された。