18年サッカー・ワールドカップの南米予選は6日の第9節で折り返し地点に到達。ブラジルは現在、首位ウルグアイに継ぎ2位につけている。
今大会のブラジルは、14年のW杯の準決勝のドイツ戦での1―7の記録的惨敗もあり、ナーバスな気分で迎えられていた。実際、15年のコパ・ド・アメリカも準々決勝で敗退し、南米予選も初戦のチリ戦でネイマールがコパ・ド・アメリカでの試合態度での欠場処分ゆえに出場できず0―2で敗れる幕開け。以後もドゥンガ政権下では引き分け試合も多く、パッとしない状態が続いた。
「このまま行くと初の予選落ちも」と心配された矢先、今年7月のコパ・ド・アメリカ100周年記念大会でまさかの決勝リーグ進出を逃した責任でドゥンガ氏が遂に解任。後任にコリンチャンスの2012年クラブ世界一に貢献したチッチ氏を新監督に迎えた。
だが、リオ五輪でブラジルが史上初の金メダルを獲得すると以降調子は上向き。9月以降、チッチ新監督になってからはエクアドル、コロンビア、ボリビアをそれぞれ3―0、2―1、5―0と下し3連勝。勝ち点も18となり、首位のウルグアイに勝ち点差わずか1の2位。進出圏外となる6位のパラグアイとの勝ち点差は6。よほど大崩しない限りは、「予選落ち」の不名誉は免れそうにはなってきた。
ブラジルの建て直しの背景には、五輪で活躍した19歳のガブリエル・ジェズスを新たなセンター・フォワードにつけ、フィリペ・コウチーニョ、ジュリアーノといった、ドゥンガ時代には重用されなかった攻撃力のあるミッドフィールダーが加わった結果、攻撃力が上がったことによる。ジェズスは既に3試合で3得点を記録済みだ。守備もボランチのカゼミーロや五輪でも活躍したセンターバックのマルキーニョスを主体に、3試合で1失点と、6試合で8失点だったドゥンガ時代より引き締まっている。
現時点で首位のウルグアイは、世界的ストライカーのカバーニとスアレスを軸とした攻撃力に手堅い守備で順調な滑り出しを見せた。意外なほど健闘の3位エクアドルは、エース、カイセードの5得点の活躍が光っている。
最大のライバル、アルゼンチンは、エースのメッシが故障で数試合で欠場したのをはじめ、世界的に見てトップクラスの強力フォワード陣が空回って得点が少なく、守備でも肝心なところでミスが出て、勝ち点15の5位となっている。
意外なまでに不調なのがチリだ。コパ・ド・アメリカを制覇し、南米予選前も1位通過の有力候補と見られ、初戦でもブラジルに快勝していたが、攻守が噛み合わず、ここまで3勝4敗2分で勝ち点11の7位。6日のエクアドル戦も0―3で大敗し、浮上の兆しが見えていない。
11日の第10節で南米予選は後半戦を迎える。ブラジルは敵地での最下位ベネズエラ戦。この試合でネイマールはイエローカードの累積でし出場できないが、11月の11節の相手がアルゼンチンであることを考えると、ダメージは少ないか。
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