ブラジル・テメル新政権肝いりの財政再建計画の一つである、公費歳出上限を定めた憲法改正案(PEC)は、第一関門を突破した。同案が6日に開かれた下院特別委員会で賛成23票、反対7票で可決されたと7日付現地紙が報じた。
同改正案の基本的な考え方は、今後20年間の無秩序な政府歳出の増大を食い止めること。2017年は、今年度予算の7・2%以上の歳出は禁じられ、18年以降は前年のインフレ率以上に歳出を増やす事はできない。
委員会は6日の午前11時25分に開会され、決着までにほぼ9時間を要した。同改正案に関する8つの修正動議が出され、全て否決された。
政府は反対派との折衝の中で、医療と教育の両部門で譲歩した。17年の医療部門の歳出上限は17年の歳入の15%、17年度の教育部門の歳出上限は17年の歳入の18%と定められた。2018年以降の両部門の歳出上限は、他部門同様、前年度の歳入をベースとし、IPCAを上限として調整するという原則が適用される。
テメル政権はPECの議会通過を重視しており、6日の夜は全国でラジオ、TVでエンリケ・メイレレス財相のメッセージを流した。字幕つきTVメッセージの中で同財相は「皆さんの家計でも、入ってくる以上のお金を使ってはいけません。これは政府でも同じ事です」とできるだけ平易な表現を使い、一般層にも同改正案と今後の財政再建案への理解を呼びかけた。
PECは下院で2回の審議にかけられたあと、上院に議論の場を移す。下院最初の採決は、週明け10日に予定されている。
メイレレス財相のビデオメッセージ
https://www.youtube.com/watch?v=X8Fs-rmUezI
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