連邦警察のアクロニモ作戦での贈収賄疑惑で立場が危うくなっているミナス・ジェライス州知事のフェルナンド・ピメンテル氏(労働者党・PT)。民主運動党(PMDB)との固い連携が州議会で保たれていることから知事の座は守られそうだ(9日付エスタード紙)との見方が強かったが、地方統一選挙後に雲行きが変わってきた。
アクロニモ作戦はゴイアス、南大河、ミナス3州にまたがる、企業の政治家への贈収賄汚職工作に関する捜査だ。その中に2014年10月の州知事選におけるピメンテル氏の容疑が含まれている。同選挙直後に、巨額の資金を飛行機で運んでいた選挙参謀ベネジト・オリヴェイラ・ネット(通称べネー)容疑者が捕らえられ、16年3月に逮捕されている。
この選挙献金の中にはペトロブラス疑惑の主犯企業オデブレヒトも含まれ、社会経済開発銀行(BNDES)の公金も入っていると見られている。ピメンテル氏はジウマ政権の開発相で、その影響力を不当に行使した疑いがある。
ピメンテル知事は連邦検察庁から告発され、6日に連邦司法高等裁判所(STJ)の特別法廷(15人)は8対6で、「州議会が知事の罷免審議を始めるか否かを決める権限がある」との判断を下していた。
だがミナス州議会の場合、州知事罷免審議が始まる可能性は少ない。同氏とPMDBが良好な関係にあるからだ。国政では、エドゥアルド・クーニャ前下院議長(PMDB)が大統領罷免請求を受け付けたところから、ジウマ罷免がはじまったとのは対照的だ。
ピメンテル氏は2001~08年に州都ベロ・オリゾンテの市長をつとめていたが、PMDBとの連立関係は以来16年間も続き、州政府内には5人のPMDB党員が主要役職についている。アントニオ・アンドラデ副州知事もPMDBだ。
州議会の投票では77人いる州議の3分の1である26人が罷免審議開始に反対すれば成立しない。既にPMDBだけで13人、PTで9人の州議員がおり、緑の党(7人)との関係も良好。さらに州議会議長のアダウクレヴェール・ロペス氏(PMDB)がピメンテル氏に忠実で、民主社会党(PSDB)と民主党(DEM)以外の55人の州議員、議会の3分の2を味方につけそうだ。
ただし、ヴェージャ誌10月7日電子版によれば2日のベロ・オリゾンテ市長選挙で雲行きが変わった。PMDB市長候補が敗北し、アエシオ・ネーベス上議(PSDB)との交渉後、PHS候補と決選投票を争うPSDB候補のジョアン・レイテ氏を応援すると宣言したからだ。
アンドラデ副州知事は「PTがお行儀良くすれば連携は18年まで続く。我々のことを『ゴウピスタ』(クーデター実行者)と言うのを止めるべきだ」と強気の発言をした。同誌は《アエシオとアンドラデはピメンテル政権への〝ゴウペ〟を画策しているとの話も出ている》と報じた。
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