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オデブレヒト=連邦貯蓄銀行が不正融資=W杯スタジアム建設費に疑惑

 2014年サッカーW杯開幕試合の会場、サンパウロ市東部にあるコリンチャンス本拠地「イタケロン・スタジアム」建設に関し、連邦貯蓄銀行(CAIXA)が、建設を請け負ったオデブレヒト社からの要請で、3億5千万レアルの不正融資を秘密裏に行なっていたことが明らかになった。9日付現地紙が報じている。同社はペトロブラス汚職疑惑の中心企業だが、W杯工事でも疑惑を生んでいる。
 フォーリャ紙9日付電子版によれば、同スタジアム総工費は12億レアル。元々は4億レをBMDSが融資し、企業がサンパウロ市に支払うべき税金を文化振興プロジェクトに振り返る免税制度CIDsで4億2000レ調達するはずだった。ところが免税制度に興味を持つ企業が集まらず、資金繰りに困っていた。
 そこでオデブレヒト社のマルセロ社長(ペトロロン疑惑で19年4カ月の実刑判決)自らが動き、貯蓄銀行に同社の3億5千万レアル相当の社債を返済期限なしで買い上げてもらう秘密契約を不正に結んだという疑い。この資金が同スタジアム建設費に回され、W杯の開幕試合にギリギリ間に合ったようだ。
 結局、この「社債」は2021年まで7年の返済期間との交渉が行なわれ、オデブレヒト社は利子つきで返済を行なう予定とのこと。
 この件に関し、当時コリンチャンスの会長で現在下院議員のアンドレ・サンチェス氏はフォーリャ紙に対し、「説明は出来ない。今回の支払異関する交渉はオデブレヒト社と貯蓄銀行の間で行なわれており、そこにコリンチャンスが絡んでいなかったから」という。