統一地方選挙の結果を受け、18年大統領選に向けて早くも動きがでている。民主社会党(PSDB)では、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が大統領選への出馬基盤を固めるために、下院議長選、党首選挙戦で、対抗馬と目されるアエシオ・ネーヴェス氏への牽制をはじめている。またルーラ氏(労働者党・PT)の18年大統領選には民主労働党(PDT)の協力が得られないことも確実な情勢だ。12、13日付現地紙が報じている。
サンパウロ市市長選でジョアン・ドリア氏を擁立し、前代未聞の一次投票での圧勝を飾ったことで、アウキミン陣営はPSDB内で勢いづいている。
そこで同陣営が次の目標にしているのが、来年2月の下院議長選だ。この選挙でPSDBは、現議長のロドリゴ・マイア氏(民主党・DEM)に代わる候補を立てたい意向。党首のアエシオ氏はそこにアントニオ・インバサヒ氏かカルロス・サンパイオ氏といった、同党の下院リーダー、副リーダーのどちらかを推したいとしている。
これに対し、アウキミン陣営はエラークリト・フォルテス下議を推す意向と報じられている。エラークリト氏はサンパウロ州副知事のマルシオ・フランサ氏と同じブラジル社会党(PSB)の党員で、06年にアウキミン氏が大統領選に出馬した際のコーディネーターをつとめた。同氏はテメル大統領やマイア議長の友人でもある。
アエシオ陣営が来年5月の党首選で出馬をあきらめるなら、アウキミン陣営は下院議長選でアエシオ氏に従う。そうでなければエラークリト氏の擁立を強行したいとの分析が報じられている。
もしも党首選でアウキミン陣営から党首がでなかった場合、アウキミン氏が離党してPSBに移籍することもありうるという。
アエシオ氏は現在、公式発言上、「テメル政権の連立での国政の建て直しを重視したいので、18年のことを急いで決めたくない」としている。
一方、ルーラ氏の大統領選最出馬で巻き返しをはかりたいPTだが、早くも暗雲が立ち込めている。それは、同党の大きな協力党でもあるPDTが、18年の大統領選に、以前も別の党から出馬し健闘もしたシロ・ゴメス氏を擁立するために、PTに協力できないことを既に明らかにしているためだ。
PDTは先の統一地方選でPTの255人を上回る332人の当選者を出している。これを機会に、左翼を牽引する政党の座を目指したいとしている。
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