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リオ州=相次ぐ保安当局高官の辞任=極度の予算不足に忍耐も限界=スラム平定に一定の成果出すも

一定の成果も挙げたベルトラーメ、リオ州保安局長だったが、ほぼ10年をもって辞任となった(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

一定の成果も挙げたベルトラーメ、リオ州保安局長だったが、ほぼ10年をもって辞任となった(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 歴代最長任期9年9カ月を誇っていたリオ州保安局長のジョゼ・ベルトラーメ氏が10日、フェルナンド・ベローゾリオ市警総監も12日に相次いで辞意を表明したと12、13日付ブラジル現地紙が報じた。
 この辞意表明の直前には、リオ市南部、パヴォン・パヴォンジーニョ・ファベーラ(スラム街)での銃撃戦がおきていた。リオの保安当局高官の続けざまの辞意表明の裏には、極度に悪化したリオ州財政により、予算が回らないことへの強い不満があると見られている。
 同氏は任期中、平和維持駐留部隊(UPP)を設立し、スラム平定に一定の成果を挙げていた。
 後任に指名されたロベルト・サー氏はベルトラーメ氏からの信頼も厚く、保安政策の基本路線は引き継がれるが、主要課題もまた引き継がれる。9500万レアルに上る負債問題だ。この金額はリオ州保安局年間予算の3分の1にあたる。
 「治安維持対策は終わりのない戦いで、リレーのようにバトンをつないでいかなければならない恒久的な取り組みだ。私の責任は果たした。今は後任にバトンを渡す時だ」とベルトラーメ氏は語った。
 06年まで、リオ州連警の警部として同州犯罪組織の捜査を担当していたベルトラーメ氏は、07年、セルジオ・カブラル氏(民主運動党・PMDB)のリオ州知事就任に伴い、同州保安局長に任命された。
 14年、カブラル前知事の退任時に共に退く意向を示していたが、後任のルイス・ペザン知事(PMDB)に説得され、リオ五輪終了までとの約束で留任していた。
 ファベーラ平定を目的として、08年末より各所に設立されたUPPは、設立当初に高い成果をあげてベルトラーメ局長は一躍時の人になった。だが、12年以降は予算不足にともなう物資、人員不足から実効性を失っていった。現在38カ所におかれているUPPは、絶え間ない犯罪集団からの逆襲に脅かされている。
 ベルトラーメ氏は、辞意表明後のインタビューで、「このままでは警察官への13カ月給が払われない。現場の警察官には『今後とも厳しい状況が続く。苦しい状況だが耐えてくれ』と言わざるを得なかった」と語った。
 ベルトラーメ氏は後任に、現・企画統合作戦局副局長ロベルト・サー氏を指名した。同氏の就任は17日の予定とされている。