【既報関連】ブラジル最北端ロライマ州政府は、流入の止まらないベネズエラからの難民対策を行う緊急対策本部を設置する予定だと、13日付現地紙が報じた。
同州政府はこれまでに何人が流入してきたか正確なデータを持っていないが、その数を3万人程度だと推定している。
同対策本部は消防隊、防災局の他、州政府内の多くの部署の代表者が参加する機関となる。
消防隊、防災局を率いるエジバウド・アマラウ大佐は、対策本部は難民流入により予想される州内の危機への対応を強化する事を目的としていると語った。
しかし、ロライマ州政府は他の多くの州と同様に、財政難に苦しんでいるため、スエリ・カンポス同州知事は対策本部設置に慎重姿勢だ。州単独ではなく、連邦政府を最大限巻き込んでこの問題に対処する事を望んでいる。
対策が実行に移されない内に、ベネズエラからの難民は国境の街パカライマを通って、州都ボア・ビスタ、果てはボア・ビスタから長距離バスでアマゾナス州都マナウスに流入している。
ボア・ビスタの路上は、信号待ちの車に駆け寄りフロントガラスを磨いたり、イチゴを売ったり、小銭両替詐欺をしたり、物乞いをするベネズエラ人で溢れている。
国境の街パカライマでサンパウロ行きを画策していた難民の若者は、「ベネズエラの情勢は悪くなる一方だ。チャベス前大統領が死んで一層酷くなった」と取材に語った。
パカライマでは、商店の使用人や、トラックの積荷降ろしをしてハンモックで寝るベネズエラ人の姿を見るのは一般的だという。お金を貯めて、国境の先、州都ボア・ビスタやアマゾンのマナウス、リオ、サンパウロを目指すために、女性の中には娼婦に身をやつし、旅費を稼ごうとする者も少なくないと報じられている。
今のところ、ベネズエラ人大量流入は、格段の治安の悪化にはつながっていないと地元警察は語っている。