「権威者侮辱防止法」(lei de abuso de autoridade)の審議を、決選投票後の11月にも再開させる動きが上院でおきており、ラヴァ・ジャット作戦の捜査妨害にもなりかねないと問題視されている。しかもその法案を審議する特別委員会の報告官が、LJで容疑をかけられているロメロ・ジュカー上議(民主運動党・PMDB)。同じく疑惑のあるレナン・カリェイロス上院議長も急いで通過させようとしていたが、連邦検察庁などの強い反撥を受けて7月に審議が中断されていた経緯がある。14日付現地紙が報じている。
同防止法は「判決前に捜査内容がマスコミに漏えいすること」「逮捕された圧力下で証言させられる困惑状況」が起きた場合、それを命じた司法関係者や警察に刑罰を設定するもの。刑が確定する前に、疑惑のある政治家に対して、一般社会が「有罪」との先入観を持つのを抑制する主旨の法律だといわれる。
官僚の人事権など強権を持つ政治家を捜査する司法関係者は、国民の強い支持を支えに捜査を継続している。ラヴァ・ジャット作戦では、証言内容がすぐにマスコミに漏えいする傾向が強い。支持を得るためには捜査内容が広く知られる必要があるからだ。
同法は、2009年に提案されてお蔵入りになっていたが、テメル暫定政権発足直後の7月に再浮上した。レナン議長は当初、議会が休みとなる前の7月中旬前までに通過させたいとしていた。だが、検察庁をはじめとした強い反対が起き、レナン議長は審議を一時取りやめていた。
検察庁がこの防止法に反対する理由は、容疑者からの報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)が得にくくなるからだ。デラソンはLJ捜査を円滑に進め、そこから得られた多くの証言がさらに多くの容疑者逮捕につながってきた。
とりわけジュカー氏とレナン氏には疑惑がかかっている。元トランスペテロ総裁でLJ容疑者のセルジオ・マシャド氏が2月に仕掛けた盗聴で、二人はデラソンを妨害したい意向と受け取れる発言を行ない、5月下旬にそれが暴露された。そのために、テメル暫定政権下で就任したばかりのジュカー企画相は辞任に追い込まれた。
そのジュカー氏は先日、エスタード紙サイトの取材に対し、「統一地方選(10月30日)以降に同防止法の審議を再開させたい」との意向を語った。レナン議長も、すでにこの法案を通すために議員らに協力を募っている状況という。
ただし、上院政府リーダーのアロイージオ・ヌーネス上議(民主社会党・PSDB)らは「今、緊急に進める議題ではない」と難色を示しているという。
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