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ブラジル財政改革で贅肉落とせるか=(下)=「公務員は少なくとも一割は削減可能」と識者=課題山積の政府に余力あり?

テメル大統領と共に、ブラジル財政再建のためのキーマン、エンリケ・メイレレス財相(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
テメル大統領と共に、ブラジル財政再建のためのキーマン、エンリケ・メイレレス財相(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 インドで15、16日に開催されたBRICS会議に参加し、そのまま訪日と外遊をこなすテメル大統領(民主運動党・PMDB)。インドから直接の日本行きは、直前まで確定しなかった。
 日程確定が遅れたのは、下院での憲法改正法案の投票結果を見定めてからとの思惑が働いたからだと見られている。
 「国民からの人気には拘らない」とまで語り、財政改革に執着している同大統領だが、肥大した官僚機構にメスをいれることは可能だろうか?
 公務員は食堂給仕でも1万レアル(32万円)超の月給を稼いでいるし、医療、治安部門など、国民生活の根幹を成す部門でも、休業期間中の給与天引きを心配する事なくストライキを行い、条件闘争をしている。これにより、所得が低く、医療などは全面的に公共機関に依存している層を中心とする国民の生活は、大きな脅威にさらされている。
 「公共医療を受けることもなく、そんな立場の人の事を思いやることもない人間が国を牛耳っている」と語るのは、財相や農相、在仏ブラジル全権大使などを歴任した、経済学者のアントニオ・デルフィン・ネット氏だ。
 元労相で労働高裁(TST)長官も務めたことがある弁護士のアウミール・パッツィアノット氏はさらに厳しく、「ブラジルは中央政府に食い込み、自らの利益のみを考える官僚組織の食い物にされている」としている。
 パッツィアノット氏は、TST長官就任時に20人で足りるところ、200人以上の職員と対面し、大いに驚いたという。「嘆かわしいことに、ある職員には『君は一日中、いや一年中、ここで女性をとっかえ、ひっかえ、イチャイチャしている。私の代からはそんなことは許さない』と言い渡す羽目になった」と当時を振り返る。
 ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のネルソン・マルコーニ教授は「公務員数は少なくとも一割、部門によっては二割以上の削減も可能だ。しかし、上限法、年金改革、レパトリアソン法など、課題山積みのテメル大統領にこれ以上戦線を拡大する余裕があるかは疑わしい」と語った。

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