テメル新政権肝いりの政策である、公費歳出上限を定めた憲法改正案(PEC241)が、10日、下院での一回目の採決で366対111と賛成多数で承認された。次回の下院投票は週明けに予定されており、政府は年内の上院決着を図っている。
これに反対する野党支持者らが17日、サンパウロ市、リオデジャネイロ市で抗議活動を行った。
サンパウロ市での抗議は市内中心部のパウリスタ大通りで起きた。抗議者はレボウサス大通りを経て、市内西部のブリガデイロ・ファリア・リマ大通りまで行進後、午後9時50分に活動を終了した。
抗議行動はインターネットを通じて呼びかけられ、ホームレス労働者運動(MTST)など、様々な社会運動グループが参加した。主催グループ側は動員数を1万人と見積もっている。
一隊は解散前にブリガデイロ・ファリア・リマ大通りのブラジル銀行協会連盟(Febraban)前に参集したが、軍警が同建物の入り口を閉鎖し、デモ参加者の侵入を阻んだ。
MTSTは別働で、現政権に対して前政権の社会福祉政策の継続を求める抗議行動も起こした。
反PEC241の抗議活動はリオ市でも発生した。同市での抗議デモもインターネットで参加が呼びかけられ、労組や学生が参加したが、サンパウロとは違い、抗議デモへの参加者と警備の軍警との間の武力衝突などが発生した。
武力衝突は午後7時半過ぎに起き、覆面のデモ参加者が軍警大隊にロケット花火を発射した。軍警は制圧のために、催涙ガス弾で応酬した。
多くの参加者が、PEC241は医療、教育部門の切捨てにつながるために反対だとの意思表示を示すプラカードを掲げ、テメル大統領退陣を求める声も上げた。
デモ隊と、軍警の衝突はリオ市中心部にあるブラジル最大の石油公社であるペトロブラス本社と国営の社会経済開発銀行の前で発生した。軍警の反撃を受けてデモ隊が散開したため、衝突は短時間で終了したが、市議会の壁には闘争継続の意思を伝える落書きが残された他、シネランジアでも破壊行為が起きた。
なお、サンパウロ、リオいずれのデモでも、負傷者、逮捕者に関する情報は明らかにされていない。(17日付アジェンシア・ブラジル、G1サイト、フォトス・プブリカスなど)
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