昨年、北東部を中心にブラジルを震撼させた、妊婦のジカ熱感染に伴う小頭症児大量発生の危機がまた頭をもたげ始めていると18日付エスタード紙が報じた。
北東部パライバ州カンピーナ・グランデ市で先週、母体を通じてジカウイルスに感染したと思われる小頭症児の誕生が確認された。同市ではさらに3件、母体からウィルスに感染した事が疑われる小頭症児の事例が報告されている。
「ジカ熱の流行は季節的なもので、小頭症児の誕生が減った時期もあった。しかし、これからはまた増えるだろう」と診断に当たったアドリアーナ・メロ医師は語る。
同市保健局長のルジア・ピント氏は、同州第2の都市であるCGは近隣の市から来た妊婦が出産する例も多く、「カンピーナ・グランデは小頭症児禍の中心地となっている。周辺都市の母親が、ここなら正確な事が分かるのではとの思いで集ってきている」と語っている。
ピント局長は「診察や検査の要望は高まるものの、同市には外部からの支援はなく、対応できるだけの物的、人的資源がない」としている。対応スタッフは看護師、物理療法士、心理学者、神経小児科医が一人ずついるのみで、「患者の対応はボランティアにも頼っている」という。
昨年、ジカ熱はブラジル北東部全域で発生したが、小頭症児誕生はパライバ州、リオ・グランデ・ド・ノルチ州、ペルナンブッコ州が突出していた。昨年8月以降、母体のジカウイルス感染に伴い、新生児が小頭症またはその他の神経系疾患をもって生まれた事例は2033件確認されており、3055件が調査中だ。
保健省は、ジカウイルスに伴う小頭症の大量発生が再び起こった事を示す科学的な証拠はなく、最近2カ月の小頭症発生数は昨年よりも少ないとする声明を発表した。