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宮坂国人財団=完成までもうひと踏ん張り=イミグランテス環境公園=センター建設に資金募る

説明を受ける関係者ら

説明を受ける関係者ら

 宮坂国人財団(西尾ロベルト義弘理事長)が日本移民百周年記念事業として企画した『エコロジコ・イミグランテス公園』が完成まであと一歩に迫っている。10日、建設状況の説明と未完成となっている技術研究センターへの資金援助を募るため、日系団体関係者ら20人近くが視察に訪れた。中前隆博在聖総領事、呉屋春美文協会長、山田康夫県連会長らが参加し、同園職員によるツアーが行われた。

 サンベルナルド・ド・カンポ市のイミグランテス街道沿いに広がる大西洋岸森林に位置する同園は、絶滅危惧に瀕する原生林と動植物を保護し、エコツーリズムや子どもの環境教育に利用することを目的として造園されたものだ。
 大西洋森林は、農地化や木炭製造のために伐採され、約7%が残るだけ。自然保護区指定地域のため、認可取得に難航し、3年前にようやく着工開始された。
 すでに約1千万レアルが投じられ、入口と技術研究センターまでを繋ぐ約300メートルの遊歩道と90メートルのケーブルカーが完成した。
 施設の設計には「もったいない」コンセプトと「環境への徹底的な配慮」が施されている。遊歩道には廃棄プラスチックと大鋸屑で作られたリサイクル材を使用。施設で使用される電力はすべて太陽光・風力発電で賄われ、雨水タンクや廃水処理場も設置された。
 西尾理事長は「工作機械を持ち込めないため全部手作業。時間と費用が嵩んだ」と苦労を語る。「土地の特性を活かし、環境に配慮した設計。エレベーターやスロープも設置され、誰もが利用できる」と自信を覗かせる。国際的認定団体から「環境建築物」との認証も受けている。
 追加資金を必要とするのは、講堂や多目的ホール、デジタル図書館を擁した円形状の技術研究センター『セル』。建設には約600万レアルが必要。ワークショップが行われるなど、訪問者が自然との関係性を学ぶ充実した場所となる。2018年の移民110周年、同財団20周年に落成を目指し、今後企業を中心に資金を募る。
 参加した鹿児島県人会の松村滋樹会長は、「大変素晴らしかった。都会の喧騒から離れて大自然を満喫できる」など開園を期待する声が相次いだ。


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 エコロジコ・イミグランテス公園は将来、一般公開されても入場無料。野生の猿や豹などが見られるほか、マラクジャで覆われたアーチや木に生える苔などに触れて楽しむコーナーも。イミグランテ街道の混雑を懸念し、専用駐車場の認可が下りなかったといい、インターネットでの事前予約でバス送迎でのツアーになる見通しだ。一グループ10人までで、一日最大で300人まで。開園してからも採算面では課題が残されそうだ。