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クーニャ氏が遂に逮捕=スイスの秘密口座の収賄で=拘留期間は期限なし=夫人逮捕も時間の問題か

クリチバに移送される直前のクーニャ氏(Wilson Dias/Agência Brasil)

クリチバに移送される直前のクーニャ氏(Wilson Dias/Agência Brasil)

 19日、連邦警察は、エドゥアルド・クーニャ前下院議長(民主運動党・PMDB)を、スイスにある秘密口座を使った収賄容疑で逮捕した。クーニャ氏は同日中にパラナ州クリチーバの連邦警察に送られ、その後、ラヴァ・ジャット作戦を管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事の下で裁判を受けることとなる。19日付現地紙サイトが報じている。

 クーニャ氏逮捕の一報が入ったのは19日午後1時30分前後で、逮捕当時、クーニャ氏はブラジリアにいた。同氏はこの日のうちにクリチーバへ送られた。同氏逮捕は18日の内に決められていたが、令状発行は19日昼過ぎで、再犯防止のため、拘束期限は定められていない。
 今回の逮捕は最高裁が既に受理していたスイスの隠し口座に関するものだ。同口座は、クーニャ氏が2011年頃に、アフリカのベニンでのペトロブラスの事業に乗じて収賄を行った際に使ったとされている。同口座は昨年10月、TVニュースやネットなどに本人の顔写真と署名付きで暴露され、話題を呼んだ。
 クーニャ氏は当時行われた下院の議会調査委員会(CPI)の喚問でこの口座の存在を否定したが、このことが偽証罪に問われた上、収賄や資金洗浄、職権濫用などの容疑で起訴され、最高裁で被告となった。5月には同裁のテオリ・ザヴァスキ判事から議長職務の停止処分を受けた。同氏は7月に議長を辞職したものの、9月には下院本会議で圧倒的多数で議席を剥奪された。
 クーニャ氏が隠し口座の件で被告となったときはまだ議長だったが、既に議員罷免が成立したため、一般人扱いとなる。クーニャ氏は二つの件で既に被告となっているが、ラヴァ・ジャット作戦の中で最高裁が扱っていた同氏に関する嫌疑は今後、すべてモロ判事の管轄となる。今回の逮捕の原因となった件の裁判権は13日に最高裁からモロ判事に正式に委譲されており、同判事は18日に逮捕を決めていた。
 モロ判事はさらにクーニャ氏に対し、2億2070万レアルの資産の差し押さえを命じている。
 スイスの秘密口座に関しては、クーニャ氏夫人のクラウジア・クルス氏も国外にある自身のオフショアを使って賄賂の一部を受け取ったとされ、既にパラナ州連邦地裁で被告の扱いを受けている。同氏逮捕も時間の問題と認識されている。
 クーニャ氏は、2006~07年にトーヨー・セタル社がペトロブラスとの石油探索船の建設と賃貸で巨額契約を結んだ際、「私には500万ドルの価値がある」と言って賄賂を強要した件でも被告となっている。