5月に開幕したサッカー全国選手権も残すところ7試合、パルメイラスとフラメンゴが首位の座を巡って激しく争っている最中、残念な事件が起こった。
発端は13日、2位のフラメンゴがフルミネンセと対戦した時の事だ。試合終了まで残り6分でフルミネンセが同点ゴールを挙げたが、オフサイドの反則でノーゴールになった後、フルミネンセの猛抗議で判定が覆って同点になり、収まらないフラメンゴが再抗議してまたノーゴールと、判定が2回も覆ったのだ。
試合はそのまま終了、フラメンゴの勝ちとされたが、フルミネンセは再試合を求めてスポーツ高等裁判所に提訴した。
ビデオで見るとオフサイドは明らかだが、問題はそこではなく、2度目に判定が覆った時、主審の判断に介入できないはずの審判アセッサーが近寄り何事かささやいている映像も残っていたのだ。
誤審そのものよりも判定プロセスに大いに問題があったケースだ。
結局、フルミネンセの訴えは聞き入れられ、試合結果は裁判所の裁定が下るまで一時預かりとなった。
その試合からわずか3日後、今度は首位のパルメイラスが誤審騒動に巻き込まれた。
敵地でフィゲイレンセと対戦したパルメイラスは、後半32分に2点目を挙げたが、得点が入る直前のプレーでパルメイラスがスローインしたボールは、ラインの外側を飛び、しかも、スローインの位置よりかなりゴールに近いライン上で弾んでピッチに入っていた。ルールに則れば、このゴールは無効だ。
試合中はそれほど大きな抗議も起こらなかったが、17日に「フルミネンセ対フラメンゴ戦の結果は裁判所の裁定待ち」の判断が出たため、フィゲイレンセも18日に、「それならば、我々の16日の試合も無効だ」と訴えた。
現在、首位と2位が同時に騒動に巻き込まれているが、今後も誤審を巡る提訴が連発すれば、ますます収拾がつかなくなる。
選手には何の罪もないが、ピッチの上でなく、裁判所で決まった優勝となれば興ざめも甚だしいし、長年の課題である、ブラジル国内サッカー停滞の印象は一層濃くなる。(尚、本稿締め切り直前に、フィゲイレンセの訴えは棄却された)