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Selic=0・25%P引き下げ発表=インフレ抑制に自信の政府=一般消費者への影響僅か

ゴールドファジン中銀総裁(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

ゴールドファジン中銀総裁(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 【既報関連】中央銀行は19日、通貨政策委員会(Copom)において、2012年10月以来となる、経済基本金利(Selic)の引き下げを行ったと21日付現地紙が報じた。
 Selicは全会一致で、年14・25%から14%へと、0・25%ポイント(%P)引き下げられた。これはイラン・ゴールドファジン中銀総裁が今年5月に就任して以来初の利下げで、同総裁は、0・5%Pなどのより大幅な利下げを行うには、政府による財政改革の前進とサービス部門のインフレ抑制が必要との見解を示した。
 今回の利下げは、事前予想の範囲内だった。アジェンシア・エスタード社が行った金融機関への調査では、70社中36社が0・25%P、32社が0・5%P、1社は0・75%Pの引き下げを予想。残る1社は据え置きと見ていた。
 政府も、中銀の決定を好意的に受け止めた。エンリケ・メイレレス財相は「慎重な調査の結果、金利を動かせる時期に入ったと判断したに違いない」と語り、決定はポジティブで、ブラジルは17年の目標インフレ率4・5%を達成するために着実に進んでいるとした。
 しかし、元中銀総裁のグスタヴォ・ロヨラ氏のように、「0・25%Pの利下げでは、大幅利下げを見込んでいた市場関係者には冷や水」と評価する向きもある。
 中銀は利下げ直後に出した声明の中で、Selicもドル/レアル為替相場も安定しており、17年のインフレ率は4・3%になると考えていることを示した。この数値は政府目標の4・5%や中銀が9月に発表した4・4%よりも低い。中銀の理事達は、今回の利下げは一過性のものではなく、今後も続く引き下げプロセスの第一歩との見解を示している。
 他方、市場関係者は、今回のSelic引き下げは、短期間では実質的な効果はもたらさないと見ている。この下げ幅では、銀行から融資を受ける際や分割払いでの購入契約の際も、一般消費者への影響はほとんどないからだ。市場関係者は、債務不履行は今も多く、融資機関側のリスクヘッジの思惑が根強いため、僅かな利下げがすぐに消費者へメリットとなることはないと見ている。
 利下げが継続的に行われるなら、経済は再び軌道に乗ると見る向きも多い。高金利はインフレ抑制効果がある一方、経済を活性化するための融資を抑える効果があるが、低金利は、インフレリスクが高まるが、企業が融資を受けて経済を活性化させやすくなる。