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購買力が2年間で9%縮小=所得の目減りの速度は低下

 中央銀行による経済基本金利(Selic)引き下げ前、16日付エスタード紙や19日付フォーリャ紙が、失業者増加や高金利、高インフレなどで国民の購買力は14年より9%縮小したが、インフレの沈静化で実質所得が目減りするスピードは落ち始めたと報じた。
 テンデンシアス・コンスルトリア・インテグラダ社によると、労働者の給与や年金、銀行融資、金利、インフレなどを加味した購買力は、14年当時の3兆4900億レアルから3兆1700億レアルへと9%縮小し、11年以降では最低レベルとなった。購買力の大幅低下は、貯蓄の取り崩しや消費減退を招く。
 この2年間の物価上昇率は約24%で、景気後退の長期化による生産調整や人員調整で失業率も5%から11・6%に上昇。経営不振のため、給与調整はインフレ率以下という企業も多い。
 このような状況では消費減退は避けられず、今年に入ってからの燃料消費は4・44%、電力消費も1・25%、新車販売は22・8%減った。
 また、18日には地理統計院(IBGE)が、8月の小売販売は前月比0・6%、昨年同月比で5・5%減と発表した。自動車販売を加味した小売販売の落ち込みは前月比2%とさらに大きい。この数値は市場の予想を上回り、第3四半期の推定国内総生産は0・8%減と下方修正された。
 失業率はまだ上昇すると見られているが、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は、7、8月の実質給与の目減り幅は4・8%と3・7%で、第2四半期に5・6%目減りした後は回復基調にあるとの報告を出した。
 FGVによると、全国家庭サンプル調査から見た所得目減りの要因の約75%はインフレ、次は失業だ。同財団では、消費後退でインフレが抑制され始めたため、今後は失業による所得減の影響が増えると見ている。所得目減りは、青年や低学歴者、家長、大都市周辺の住民ほど大きい。