連邦警察は21日、上院付の警察官4人を、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)などの連警捜査を妨害したとして逮捕した。4人の警察官は、フェルナンド・コーロル上議(キリスト教労働党・PTC)やジョゼ・サルネイ元上議(民主運動党・PMDB)の2人の元大統領、グレイシ・ホフマン上議(労働者党・PT)やエジソン・ロボン上議(PMDB)ら、LJで疑惑がかけられている上議を守るため、カウンターインテリジェンス(盗聴などをされないよう阻止する行動。以下、CI)などを行ったとされている。21日付現地紙サイトが報じている。
今回の捜査は「メーチス作戦」と名付けられ、連邦検察庁が最高裁でLJを管轄するテオリ・ザヴァスキ判事に伺いを立てた上で、連邦直轄区の連邦地裁からの令状をとって行われた。
4人の警察官の逮捕は、ある上院付警察官の証言を元に行われた。その証言によると、同警察官の上官4人が、LJで捜査対象となっている上議らの事務所や自宅でCIを行っていたという。
今回逮捕されたのは、上院付警察司令官のペドロ・リカルド・アラウージョ・カルヴァーリョ容疑者ら4人で、彼らは同時に更迭処分となった。また、5件の捜査令状も同時に出されている。カルヴァーリョ容疑者はレナン・カリェイロス上院議長(PMDB)と懇意であることでも知られている人物だ。
連警側は、逮捕された4人がCIを指揮していた証拠も既につかんでいるという。4人が行っていた代表的なCIは、司法当局が認めた上で設置された盗聴器を探し、盗聴できなくするもので、電話の盗聴防止機の使用が、現職上議4人と元上議2人の議員室や自宅で確認されている。その内の4人はコーロル、サルネイ、グレイシ、ロボンの各氏で、上院付警察官がマラニョンとクリチバに出張したことも確認されている。残る2人の身元は明かされていない。
検察庁からは、LJの捜査対象となっていない上議らの事務室の捜査は記録が残されているが、メーチス作戦で名前があがった上議らの部屋の捜査記録は残されていないなど、上院付警察官の活動に不審な点があることも指摘されている。
サルネイ氏とロボン氏を担当する弁護士のアルメイダ・カストロ氏は、「サルネイ氏がそのような不正行為で恩恵を受けた事実はなく、既に引退した同氏も、このような報道が出たことに心を痛めている」という。
また同弁護士は、ロボン氏に関しては、5月に元トランスペトロ社総裁のセルジオ・マシャド被告が、レナン議長やサルネイ氏、ロメロ・ジュカー上議の盗聴を公表した際、警備の強化を訴えていたことを強調した。
一方、コーロル氏の秘書も事実を否定している。だが、上院付警察は、15年7月にコーロル氏が家宅捜査を受けた際、連邦警察の捜査に対し抗議の声明を出していたいきさつがある。
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