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「黙れはもう死んだ」=カルメン最高裁長官が語る

 9月に最高裁長官に就任したカルメン・ルシア長官がサンパウロ市で20日、インターネット・ソーシャルネットワークシステム時代における表現の自由に関する講演を行ったと、20、21日付現地紙・サイトが報じた。
 同長官はこの日、さんパウロ市南部ヴィラ・マリアーナにある広告マーケティング専門大学で、全国雑誌編集者協会(Aner)が主催する講演会に参加した。
 その席で同長官は、「『カラ・ボカ(黙れ)はもう死んだ』という表現は、報道機関がもっている、自分達が持っている情報を国民に知らせる権利についてのものだ」として、報道の自由を改めて擁護した。
 この発言は、講演会の最中に、あるジャーナリストが「機密保持の名目の下、報道の自由が制限される事があるが」との疑問をカルメン長官に投げかけた際の返答として行われた。
 「カラ・ボカは死んだ」の言葉は、最高裁である伝記の出版差し止めの是非を問う裁判が行われた際、同長官(当時は判事)が繰り返し使った〃決まり文句〃だ。
 最高裁長官の立場として、これまで再三最高裁が報道の自由を認める判決を下してきたように、今後とも報道の自由を認めていくとした。
 同長官は、最高裁が報道の自由を守るのは憲法が保障しているからで、市民が自由に情報を得ることは自由な市民生活を営むために不可欠と強調した上で、「報道の自由のないところに民主主義はない。自由のないところに民主主義もない。情報に十分に触れることが出来ないような世の中では誰も自由になれない」との持論を展開した。