ホーム | 日系社会ニュース | 「桜」と「鶴」で新スタート=島津・ド・ブラジル新本社=13日に華々しく開所式

「桜」と「鶴」で新スタート=島津・ド・ブラジル新本社=13日に華々しく開所式

テープカットの様子(左端が的場社長、右から二人目が上田輝久本社社長)

テープカットの様子(左端が的場社長、右から二人目が上田輝久本社社長)

 「島津・ド・ブラジル」(Shimadzu do Brasil、的場俊英社長)が当地の化学機器専門商社SINCの買収に伴う人員増加のため、サンパウロ市バーラ・フンダ区から9月中旬頃に近郊のバルエリ市に本社を移転し、13日午後1時半から新本社の開所式を行った。

 開所式は社内講堂で行われ、招待客約110人と社員で満員となった。また、式には島津製作所(本社=京都府)の上田輝久代表取締役社長、中前隆博在聖総領事、ブラジル化学促進協会エレーナ・ナデール会長、産婦人科医のゲシ・ラブレス・デ・ソウザ・ジュニオール氏が出席した。
 的場社長は開会挨拶で「『桜プロジェクト』と名付けたSINC社買収・合併という新しいスタートを、4月に切ることができた。また、社内に百鶴を飾った。折鶴は日本で祈りの意味もある。島津の製品、サービスが顧客の研究成果などに貢献することを祈っている」と語った。
 「百鶴」とは折り紙の一種で、一枚の紙に折込みを入れて、約百羽の連続した折鶴を作ったもの。全体図が同社のロゴに類似している。京都に本社を置く同社らしく、伝統を踏まえた技へのこだわりが伺える。

新本社のカスタマーソリューションセンター

新本社のカスタマーソリューションセンター

 上田代表取締役社長は、「新本社のカスタマーソリューションセンターは顧客サポートをさらに強化するもの。きっとブラジル市場での革新を起こすだろう」と活躍を期待し、他の拠点もブラジル社のように顧客サービスに力を入れるようにするべきと挨拶した。
 その後、中前総領事、ナデール氏、ソウザ氏が祝辞を述べ、テープカット、鏡開きが行われた。一行は駐車場に移動して桜の木を記念植樹し、和やかに参加者と社員で記念撮影が行われた。
 社内受付には日本人形、階段前の壁には赤い百鶴が飾られるなど日本的な装飾が目立った。
 カスタマーソリューションセンターには、島津製作所の分析計測、医用画像診断機器が置かれている。顧客がここに薬や食品などを持ち込めば、実際に機器の試用ができ、詳細な説明が受けられる。式典来場客は様々なレントゲン機器や分析計測機器に触れつつ、熱心に製品説明を聞いていた。