パラナ州クリチーバ市北部の州立サンタフェリシダージ校で24日午後、男子生徒が刺し殺される事件が起きたと25日付現地紙が報じた。
同校では、テメル政権の推進する国庫歳出上限を定める憲法改正案(PEC241)は教育の切捨てにつながるとの批判と、教育改革への反発により、20日前から生徒達による校内占拠が続いていた。犠牲者はルーカス・モタ君(16)で、共に学校占拠に参加していた、幼馴染の17歳の男子生徒に刺され、校内で亡くなった。
警察の調べでは、2人は校内でバリーニャとよばれる合成薬物を摂取した後に口論になり、男子生徒が包丁でモタ君の首の辺りを何度か刺した。男子生徒は塀を越えて校外に逃げたが、数時間後に捕まり、犯行を認めている。同生徒は、モタ君が先に殴りかかってきたと供述している。
学校占拠は、今月6日からパラナ州内800校で起こっており、サンタフェリシダージ校もその一つだ。
ベト・リシャ同州知事(民主社会党・PSDB)は、「少年の死を深く悼む。またこの事件は、本来は青少年が知識を得て、良識ある国民として育つべき、学校の中で起きたという意味で、より一層嘆かわしい」との声明を発表した。
知事はさらに「州内で起こっている学校占拠は度を越したものになっている。教育改革議論の道は常に開かれている」とも語った。
同州保安局のヴァギネル・メスキータ局長は、18歳以上の学校占拠参加者とその運動を支援、画策した人物、さらには生徒の親達も、法的責任を問われるとした。
事件当日の午後、サンタフェリシダージ校は重苦しい空気に包まれ、モタ君ならびに幾人かの生徒達の親と弁護士のグループだけが校内に入ることを許された。
校舎の外からも、死を嘆いて叫ぶ声や泣き声が聞こえた。事件当時、校内には少なくとも12人の生徒が居合わせており、警察の取調べを受けた。
亡くなったモタ君の母親のアレシャンドレ・モタ氏は、一人息子が刺されたと聞いて泣きながら駆けつけたが、「息子を生きたまま連れ戻すために来た。今日、生きたまま連れて帰りたい」と語ったが、その願いは叶わなかった。
教育省も少年の死を悼み、占拠活動を主導している団体に向け、「未成年者の教育と生命がかかっている。良識と責任を持って対処するように」とのメッセージを発した。