15年11月5日に起きた、ミナス・ジェライス州マリアナ市にあるサマルコ社の鉱滓ダム決壊事故からほぼ1年になるが、エスピリトサント州の海岸部にあるレジェンシア市では、今もドッセ川の河口で漁をする事が禁じられている。
この状態は、同市から170キロ上流にあり、ドッセ川で漁を営む漁師達がいるバイショ・グアンドゥ市でも同様で、漁師達は庭先で網を干しながら、公的機関がこの川の魚を獲ったり、食べたり、売ったりしても問題がないと保証してくれるのを待っている。
漁師達によると、重金属などによる汚染と健康被害を恐れる住民達は、禁漁といわなくても魚を買わなくなっており、漁師達も、魚を食べたり、川に入ったりするのを恐れているという。
レジェンシア市で生まれ育った漁師のアウド・ドス・サントス・フィルミノ氏によると、河口付近の魚や水、泥のサンプルは何度も採取され、研究所に送られたが、分析結果は何一つ知らされていないという。
事故以前は川で生計を立てていたフィルミノ氏だが、現在は、サマルコ社が配ったカードを使って受け取る支援物資が頼りだ。「いつになったら漁が出来るのか、誰も知らない」とこぼす。
事故前は、バイショ・グアンドゥで漁をすると共に、釣り客や潜水を楽しむ人達のガイドも務めていたロドリゴ・ヌーネス・フレイレ氏は、「もう誰も来ないよ。皆、魚を食べるのも水の中に入るのも怖がっている」と言う。同氏によると、川での漁は認められているが、河口付近での禁漁措置で上流の魚も危ないと見る人が多いという。
フレイレ氏も、生物学者に頼まれて魚のサンプルを採取したが、分析結果は知らされていない。
レジェンシアやバイショ・グアンドゥの漁師達は、鉱滓が混じった汚泥流入で被害を受けた人の登録システムは充分機能しておらず、他の地域の人やドッセ川で漁をした事もない人が支援物資を支給するカードを受け取っている例がある一方で、漁師だがカードを受け取れない人もいると苦言を呈している。(26日付G1サイトより)
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