30日は、2日の統一地方選で市長が決まらなかった全国55市で決選投票が行われる。その中から、「福音派対急進左派」という両極候補の対決となり、全国的な関心を呼んでいるリオ市など、主要都市の直前の状況をダッタフォーリャのデータなどを元に見ていくこととしよう。
リオ市の場合、26日発表のダッタフォーリャ最新調査では、一次選1位のマルセロ・クリヴェラ氏(ブラジル共和党・PRB)が46%、一次選でエドゥアルド・パエス現市長が推した候補を破る波乱の末に決選投票に進出したマルセロ・フレイショ氏(社会自由党・PSOL)が27%の支持率で、クリヴェラ氏がリードしている。
ウニベルサル教会のエジル・マセド司教の甥のクリヴェラ氏と、社会科教師からリオ州議員に転進し、州の議会調査委員会でリオの警察組織の不正を暴いた姿が大ヒット映画の登場人物のモデルになったことでも知られるフレイショ氏。この2人をめぐっては最近、クリヴェラ氏の1990年の教会信者への恐喝での逮捕疑惑が報じられ、リオを拠点に置く俳優などの有名人がフレイショ氏への支持を表明したことなどが報道されているが、逆転はやや難しい局面となっている。
一方、サンパウロ市、リオ市と並ぶブラジル4大都市のミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテとリオ・グランデ・ド・スール州ポルト・アレグレの両市では、今回の選挙で躍進した社会民主党(PSDB)が、ジョアン・ドリア氏が一次で大勝したサンパウロ市に続く勝利を収められかどうかが注目される。
21日発表のブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の調査によれば、ポルト・アレグレでは、支持率44%のネルソン・マルシェザン氏(PSDB)が、33%のセバスチアン・メロ氏(民主運動党・PMDB)をリードしている。
だが、26日発表のダッタフォーリャの調査によれば、ベロ・オリゾンテでは、一次選で1位だったジョアン・レイテ氏(PSDB)が、同州きっての企業家のアレッシャンドレ・カリル氏(人道連帯党・PHS)に31%対34%と逆転されている。
同市での市長の座確保は、PSDB党首のアエシオ・ネーヴェス氏にとって必須案件だ。同氏の膝元でもある同市市長を逃せば、18年の同党からの大統領選候補争いでのアエシオ氏の党内での立場が、ドリア氏の後ろ盾となり、サンパウロ市市長選で圧勝させたジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事に脅かされる危険性があるためだ。
そのアウキミン知事は26日、同党候補のオルランド・モランド氏の応援のため、大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポにかけつけた。同市はルーラ元大統領(労働者党・PT)の膝元だが、同知事はその演説で「PTは全国どこの市でも負けた」とし、同市はじめ統一地方選で惨敗したPTを皮肉った。
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