ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ピンクリボン=飲酒や肥満も乳癌に関係?=余り言われない要因にも注意

ピンクリボン=飲酒や肥満も乳癌に関係?=余り言われない要因にも注意

 世界規模で乳癌に対する啓蒙活動などを行うピンクリボンは10月で終わったが、10月にサンパウロ市の地下鉄で行われた調査の結果、飲酒や肥満も乳癌を含む癌の発生要因である事を知らない人が相当数いる事が分かった。
 7月21日に世界的な科学雑誌に発表された調査によると、飲酒は咽頭癌、喉頭癌、食道癌、肝臓癌、結腸癌、直腸癌、乳癌を誘発する直接的な要因の一つである事が確認されたという。
 同調査によれば、2012年に飲酒が原因とされる癌で死亡した人は全世界で50万人に上り、世界中の癌による死者の5・8%を占めた。この場合の飲酒は、過剰摂取をさすが、少量または中程度の飲酒でも、癌発生の危険度は増すという。
 また、10月の調査では78%の回答者が乳癌とは無関係と答えた肥満や体重過多も、体重を身長の2乗で割った指数が大きい人ほど、胃癌や肝臓癌、胆のう癌、すい臓癌、卵巣癌、髄膜腫、多発性骨髄腫、甲状腺癌に罹る危険度が増す事が確認されている。2002年には、肥満と結腸癌や食道癌、腎臓癌、乳癌、子宮癌への罹患率との関係も報告されており、少なくとも13種の癌は肥満や体重過多で危険度が増すと言える。
 また、乳癌に罹った女性の姉妹や娘、姪は乳癌にかかる可能性が高いという説に同意した人は、女性で2%、男性で8%のみだったが、種々の研究では、乳癌発症には遺伝的要素が高い事も確認されている。
 乳癌は女性が罹る癌では最も一般的な癌で、ブラジルでは2016年も既に、5万7960人の乳癌患者が新たに発見されている。乳癌は男性にも起こりうるが、男性の癌患者に占める割合は1%のみだ。2013年の場合、ブラジルでは1万4388人が乳癌で死亡したが、その内訳は、女性が1万4206人、男性が181人だった。
 乳癌は一般的な型が4種あり、稀なタイプも数種ある。完治の鍵は何といっても早期発見で、自己診断や集団検診などで異変が発見された時は、マンモグラフィーや超音波、磁気共鳴検査、生体検査などで、癌のタイプや場所を確認した上で、医師の指示にそった治療を行う事が大切だ。(7月22日付、8月25日付、10月31日付G1サイトより)