10月30日、統一市長選の決選投票が18州都を含む全国57市で行われ、全国全ての市で2017年1月以降の市長が決まった。その結果、リオではマルセロ・クリヴェラ氏(ブラジル共和党・PRB)、ベロ・オリゾンテではアレッシャンドレ・カリル氏(人権連帯党・PHS)などが当選した。全国的にはテメル大統領(民主運動党・PMDB)の連立与党が圧倒的多数で勝利したが、その中でも民主社会党(PSDB)が大躍進した。一方、労働者党(PT)は歴史的屈辱となる大敗を喫した。10月31日付伯字紙が報じている。
「福音派対急進左派」での対決として注目されたリオ市長選の結果は、ウニベルサル(ユニバーサル)教会のエジル・マセド司教の甥のクリヴェラ氏が、マルセロ・フレイショ氏(社会自由党・PSOL)を59・4%対40・6%の差で下して当選を果たした。
また、全国3位の人口を擁すベロ・オリゾンテでは、企業家のカリル氏が、PSDBの14年大統領候補で同市が膝元のアエシオ・ネーヴェス氏の息のかかったジョアン・レイテ氏(PSDB)を抑えて勝利した。
全国27州都を見てみると、PSDBがサンパウロ市とポルト・アレグレなど7市を押さえて圧倒的な強さを見せた他、PMDBが4市を押さえるなど、テメル政権の連立与党が3分の2の18市を占めた。野党に落ちたPTはわずか1市だった。
また、全国的に見た場合、市長の総数ではPMDBが1037人で最多だった。だが、2位のPSDBは、市長数こそ803人だが、より大きな都市の市長を押さえたため、統治する市民数は4870万人に達し、2900万人だったPMDBを圧倒して1位だった。これは、ブラジルにおける一党あたりの統治市民数の新記録となった。PSDBは今回選挙で、12年選挙時より、市長数で15%、統治人数で89%と大躍進を果たした。
一方、大敗したPTは市長数で61%、統治市民数も85%激減。政党の順位でも市長数で前回3位から10位、統治市民数では1位から11位に落ちるという惨敗ぶりだった。
今回の選挙では、PTをはじめとする左翼政党が、ジウマ前大統領の罷免やルーラ元大統領のラヴァ・ジャット作戦での告発を受け、支持率を大きく落としたが、その一方でテメル政権の連立与党は81%の市民を統治することになった。これにより、PT側が主張し続けてきた「テメル氏によるクーデター」という論調も通用しづらくなってきた。
今回の選挙では、中道ならびに右派の台頭も目立ったが、福音派政党のPRBがリオ市長をはじめ、市長数ではじめて100人を超す(105人、市長数全国12位)などの躍進もあった。
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