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ブラジル=国家高等教育試験=政府の政策に反対する生徒による学校占拠のため、一部の会場で実施を延期

学校占拠も1カ月近くになり、Enemへの影響も避けられない情勢となっている(Wilson Dias/Agencia Brasil)

学校占拠も1カ月近くになり、Enemへの影響も避けられない情勢となっている(Wilson Dias/Agencia Brasil)

 5、6日に行われるブラジルの国家高等教育試験(Enem)の受験者中、9万5千人は、もう一カ月、受験勉強をすることになる可能性が出てきたと1日付現地紙が報じた。
 テメル現政権が推進する、国庫歳出上限を定める憲法改正案(PEC241)と教育改革に反対する生徒達が始めた学校占拠が終結しないため、試験会場の一部が使えず、試験延期が余儀なくされているからだ。
 ブラジル教育省は既に、占拠中の学校が会場となっている受験者への試験を、12月6、7日に実施する事を検討している。この日はもとから、刑務所や少年院に収監されている成人、未成年を対象とするEnemを行う日に定められていた。
 国立教育研究院(Inep)によると、12月のEnemは、試験問題は異なるが、試験規定、難易度共に、通常のEnemと同等となる。
 メンドンサ・フィーリョ教育相は、学校を占拠している生徒達に向けて、「良識に則り」10月31日までに校舎を明け渡すよう求めてきた。
 中等教育学生連盟(Ubes)は、10月28日の夜、ブラジリア連邦直轄区と19の州で計1197校が占拠されていると発表したが、教育相の定める明け渡し期限の10月31日現在の数は出ていない。
 教育省は10月31日に「1日の午後には、占拠されている学校でのEnem延期、もしくは、明け渡しが確認できた学校でのEnem実施について発表する」との意向を明らかにした。
 Inepは1日の正午までに各会場の状況の調査書を受け取り、占拠のために5、6両日は試験が実施されない会場の最終リストを作成する。
 日程が変更される受験生には、受験登録の際に記入したeメールや携帯電話へのメッセージで連絡がとられ、Enemサイトでも通達される。