10月31日、住居闘争前線(FLM)と全市民への住居運動(MMPT)活動家約2千人が、サンパウロ市内10カ所の不動産を不法占拠したと1日付エスタード紙が報じた。
FLMやMMPTが不法占拠したのはビルや土地などで、2カ所は警察の介入後に退去した。占拠が続く8カ所中4カ所は市の物件で、市は即時退去を求める意向だ。
活動家らは、今回の不法占拠は「ハダジ市長が始めた住居政策をドリア次期市長も継続するよう求めて行った」と説明しており、なるべく長く占拠を続けるという。
ホームレス労働者運動指導者のギリェルメ・ボウロス氏は「ドリア氏の発言通りなら、この手の抗議や運動の活発化は避けられない」と言う。大衆運動センターを統括するライムンド・ボンフィン氏は、「失業して家賃も払えなければ当然起きうる行動だ。ドリア氏もホームレス運動家との争いは容易ではない事がわかるはずだ」と述べた。
ハダジ市長は任期中に5万5千軒の住居を供給すると約束したが、現在までに完成した大衆住宅は1万2千軒。これらの大衆住宅は市役所が建設したものではなく、民間主導のものだ。
サンパウロ市で不足している住居数は140万戸とされているが、ドリア次期市長はまだ、大衆住宅の建設予定数などを明らかにしていない。
今回の占拠後、ドリア氏の関係者はファヴェーラの整備や市街化は今後も優先する事や、大衆住宅の建設目標は市役所側の対応能力や資金力を分析した上で決める必要があるとの意向を示す文書を発表した。