国際宇宙ステーションで、サトウキビを原料とし、環境に優しい植物繊維のプラスチックの利用が始まった。
「緑のプラスチック」と呼ばれる植物繊維のプラスチックを開発したのはブラジルのブラスケン社で、アメリカ航空宇宙局(NASA)に種々の物資を供給している米国企業のメイド・イン・スペース社と共に新しいプロジェクトのスポンサーとなっている。
「緑のプラスチック」は宇宙飛行士達が使う道具などの材料だ。スパナなどのデザイン画がデジタル化されて地上からe―メールで送られてくると、宇宙ステーション内にある3Dプリンターにかけて道具を作る。
ブラスケンとメイド・イン・スペースは1年以上かけて、宇宙空間でも使える技術の開発を行っている。「緑のプラスチック」が最初に宇宙ステーションに届いたのは3月で、9月には野菜に水をやるためのチューブを繋ぐ部品が作られた。
「緑のプラスチック」の材料は、サトウキビからエタノールを作る時に出る副産物だ。ブラスケンはこの「緑のプラスチック」を2010年から製造している。
ブラスケンは、宇宙ステーションでの経験を、3Dプリンターを使った製品を作るための技術開発などに応用していく意向だ。同社では、再生可能な資源を材料とし、特定の用途に合わせた新しい技術を応用する事で、プラスチックの世界にも大きな変革がもたらされると信じている。(3日付G1サイトより)