ミナス州マリアナ市で、ブラジル史上最大の環境破壊事故である、鉱山採掘会社サマルコ社の鉱滓ダム決壊事故が発生してから5日で1年になる。事故発生以後とられた復旧措置の報告、精査のため、テメル大統領は3日午後、大統領官邸に関係閣僚、被災州の知事、サマルコ社関係者との会合をもったと、3、4日付現地紙・サイトが報じている。
会議に出席したのはミナス州のフェルナンド・ピメンテル州知事、エスピリト・サント州のパウロ・アルトゥンギ州知事、フェルナンド・コエーリョ・フィーリョ鉱山動力相、サルネイ・フィーリョ環境相とサマルコ社関係者だった。
15年11月5日に発生した、ミナス州マリアナ市の鉱山採掘会社サマルコ社の鉱滓ダム決壊事故は19人の死者を出した。溢れた鉱滓は周辺地域を飲み込んだ後、ミナス、エスピリト・サント両州にまたがって流れるドッセ川に流れ込み、40以上の自治体に被害をもたらした。泥は大西洋にまで到達し、流域の漁業、観光業に甚大な損害を引き起こした。
サマルコ社は新たなダムと堤防の建設、崩れたダムからの残留物の撤去、ドッセ川流域の水質改善に取り組んでいることを報告した。サマルコ社はさらに、マリアナ市の隣、バーラ・ロンガ市に131戸の住宅を提供し、これまでの復旧対策に11億レアル相当を費やしたとした。
政府広報は「今回の会合は、公的機関、私企業が取ってきた復旧や救済措置を評価し、様々な施策の統合を促進するためのものだ」と語った。
テメル大統領は被災者への連帯や見舞いの意を表明し、「被災者全てが元の住まいに戻り、仕事や社会的な活動に戻って初めて、被災地に日常が戻ったといえる」と述べた上で、「南東伯に雨季が近づいており、雨に解けた鉱滓が流れ出て、二次災害を引き起こすのを避ける措置をとる事が必要だ」と強調した。