10月14日に翌日からのガソリン、ジーゼル油の価格値下げを発表してから、1カ月も経たない11月8日、ペトロブラス社(PB)がさらなる値下げを発表したと9日付現地紙が報じた。
前回は、製油所からの出口価格がガソリンで3・2%、ジーゼル油で2・7%下がったが、今回は、ガソリンが3・1%、ジーゼル油が10・4%値下げされた。
PB社によると、出口価格が消費者価格にそのまま反映されれば、消費者価格はジーゼル油が1リットルあたり0・20レアル(6・6%)、ガソリンは1リットルあたり0・05レアル(1・3%)安くなるはずだという。
PB社は値下げの理由として、10月14日から11月8日までの間に原油価格が12・1%下落した事と、国内市場での販売シェアが落ちたことを挙げた。販売シェア縮小は、原油精製所の活動縮小にもつながる。
10月の値下げ発表時には、消費者価格はガソリン、ジーゼル油共に1リットルあたり、0・05レアル下がると予想されていたが、実際にはガソリンやジーゼル油の価格はほとんど下がらず、ペドロ・パレンチPB社社長は、落胆の色を隠さなかった。
1カ月も間をおかずに2度のガソリン、ジーゼル油価格の引下げが行われた事は、PB社が「ガソリン、ジーゼル油価格の見直し頻度を上げる」と約束した事が実際に行われている証拠だ。
10月に、2009年以来となるガソリンやジーゼル油価格引下げを発表した際、PB社は市場に向けて、価格決定に新たな基準を導入するとのメッセージを発した。
現行の価格決定システムでは、月に1度、価格見直しのための会合が開かれ、原油の国際価格の推移や自社の利益率調整、PB社の国際シェアを見ながら、柔軟に価格を変動させていく。
PB社幹部は、この姿勢は原油精製部門に国外からの投資を呼び込むために欠かせないものであると自認している。