下院の倫理委員会は8日、下院の本会議で軍政時代の将軍を称える発言を行ったジャイール・ボルソナロ下議(キリスト教社会党・PSC)の罷免審議を行う予定だったが、定足数不足と本会議が始まったこととで、罷免審議は9日に持ち越された。9日付エスタード紙が報じている。
ボルソナロ下議は4月17日に下院で行われたジウマ大統領(当時)の罷免審議継続を問う投票の際、「ブラジルを共産主義から救ったカルロス・ブリリャンテ・ウストラ将軍に敬意を捧げる」と叫び、大問題となった。ウストラ氏は軍政時代に最も残虐だった軍関係者のひとりだ。
この発言を巡り、緑の党(PV)がボルソナロ氏の議員罷免を求め、報告官のオドリコ・モンテイロ下議(社会秩序共和党・PROS)は罷免審議の継続を推薦したが、8日に行われるはずだった審議継続の投票は延期された。同件では「議員の信条は憲法で保障されている」「ジウマ氏は軍政時代に拷問を受けたと主張しているが証拠がない」などの反対意見があがっており、罷免案通過の見込みはほぼ皆無だ。
他方、ボルソナロ氏の発言後に、同氏につばをはいたジェアン・ウイリス下議(社会自由党・PSOL)に関する審議は継続される見込みだ。