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第6回南米婦人の集い=レジストロ、皆で村おこし=(3)=各地の活動に刺激、茶畑視察も

夕日が照るおばあ茶んの茶畑で

夕日が照るおばあ茶んの茶畑で

 報告会には3年前の集い開催地となった、サンフジ婦人部組合(サンタカタリーナ州サンジョアキン)の降旗マリナさんも登壇した。同組合は数ある婦人団体の中でも、組合になるほど成長した団体だ。設立の経緯、現状について紹介した。
 平均年齢60歳の組合員がりんごジュースやりんご羊羹などを製造販売している。ジュースは県連日本祭りでも販売される人気商品だ。
 販売物の種類も増え、同組合会館には売店も併設した。盛んな活動を羨ましがる声が、会場のあちらこちらから上がった。
 次にパラグアイの幸坂さち子さんが、イグアス移住地でのフェイラ立ち上げを報告した。
 幸坂さんは昨年、同地で開催された「夏盆」にフェイラ設立の賛同者2人と出店した。それから火が付きさらに2人、1人と誘い、現在は6人で月に1度、市外に住むメンバーのティラピア養殖場でフェイラを開催している。
 忙しい主婦同士の予定調整や売り上げ増への工夫など悩むこともあるが、「それも全て充実感を感じる」と真っ直ぐな目で語った。
 また、ADESCの影響で自分たちのブランドシールを作ったことを明かし、「今はまだ6人だけどADESCが目標」と終えた。
 報告会後、同会場内で婦人らの持ち寄った商品でフェイラが開かれ、憩いの場となった。
 グァタパラ婦人部の荒川照さん(69、山形)は「地元でも何か始めたいという空気があるが、年齢を考えてしまう」と団体で事業を始める難しさについて悶々と悩んだ。
 イベントのマンネリ化、運営者の高齢化など各日系団体が同じような問題を抱える中、サンジョアキン、イグアス移住地に刺激された人は多いようだ。
 報告会を終え、市内の観光地へ視察に出かけた。まず訪れたのは近郊パリケラ・アスー市の清水農園だ。清水さんの父・宗次郎さんが始め、現在はその孫にあたる清水さんの3人の息子が中心で経営、年60キロのアントゥリオの花を生産・出荷している。
 次に訪れたレジストロ市内のパルミット工場PALMARでは、加工法や瓶詰めの過程を熱心に聞きつつ、加工前の積まれたパルミット・ププーニャを触り、「これ、どこまでが食べれるの?」と好奇心を覗かせた。
 製茶産業が有名だった同地で、唯一残っている天谷茶工場にも視察に訪れた。途中、振舞われたマラクジャ入り天谷茶を飲んだ婦人らは、「当地にあるもので工夫して独自の商品を作っている。素晴らしい」と感嘆した。
 その後一行は島田梅さん(89、二世)による紅茶「おばあ茶ん」の生産所に到着。あいさつの後すぐに冷たい蕎麦が振舞われ、「これこそおもてなし!」と細かな心配りに感激した。
 観光客用食堂席をほぼ埋めた一行に新メニューが出され、おばあ茶んの製造工程について説明を受けた。
 また、島田梅さん(89、二世)が「今年も日本で行われる『第5回紅茶フェスティバル』に招待されました!」と万歳しながら発表すると、拍手と歓声が上がった。その後茶畑、工場を見学し、島田さんの手を取り別れを告げた。(つづく、國分雪月記者)