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先祖との絆深めた灯籠流し=1万5千人で盛況、レジストロ=中前総領事は周辺13文協行脚

 『第62回レジストロ灯籠流し』が1、2の両日、リベイラ河畔のベイラ・リオ広場で開催され、1万5千人以上の観客で大賑わいとなった。レジストロ日伯文化協会、日蓮宗恵明寺、レジストロ体育文化協会、レジストロ市の共催。先祖に思いを馳せて灯された1500基の灯籠が暗闇のリベイラ河を鮮やかに彩り、深夜まで若者らがマツリダンスに熱狂した。

 晴天から一転し暴風雨の中、リベイラ河を船で下りお清めをしてきた日蓮宗恵明寺の石本妙豊尼の到着と同時に、世界平和祈願と先没者慰霊法要が開始された。ウィルソン・ワギネル・ファンチン市長、中前隆博在サンパウロ総領事のほか各宗教の代表者らが参席し、焼香に並んだ。
 開会式では福澤一興文協会長、中前総領事らがあいさつ。式典が終わるといつしか雨もおさまり、涼風爽やかな夜になった。静かに灯籠が流れ始め、川面に無数のほのかな光が幻想的に浮かびあがると、流れてゆく先をじっと見つめる人の姿や、魅了され川岸まで下りて見物する人で賑わった。
 サンパウロ市から訪れ、3年連続で灯籠作りから参加している三宅七生さん(79、二世)は、「どんなに日本が恋しくても帰れなかった。そんな先祖を偲び灯籠を作りました」と思いを語った。
 広場ではマンジューバの刺身や、地元で生産する紅茶「おばあ茶ん」といった名物、日本食の屋台が軒を連ねた。セッテ・バーラスから初めて参加したリザ・ナジハさん(16)は、「非常によく運営されていて、見所がたくさん」と喜びを浮かべた。
 午後10時頃から花火が打ち上げられると、子どもたちは目を輝かせて夜空を見つめた。盆踊りではサンパウロ市から駆けつけた健康体操のメンバーが参加し、イペ音頭を披露。ブラジル人も次々と輪に入って一緒に踊りを楽しんだ。終盤は若者によるマツリダンスで大盛り上がりに。深夜まで祭りの余韻に浸った。

ラポウザ文協で歓迎を受けた中前総領事

ラポウザ文協で歓迎を受けた中前総領事

 灯籠流しに合わせ中前総領事は、1日から3日間に渡ってリベイラ河流域の13の入植地を訪問した。本紙取材によれば、「1913年から始まる日系移民の伝統のある地域。赴任以来、訪問できず気にかかっていた」と実現を喜んだという。
 イグアッペ、パリケーラ・アスなどに足を運んだ。中でも地域最古と思われるラポウザ文協にとっては、歴代総領事の初訪問。会員は10家族(約60人)という規模だが、「街道から村に続くでこぼこ道を、村総出で整備して迎えてくださった」と感激した様子で語った。
 「地域によって諸事情は違うが、どこでも祖先との絆を大切にする気持ちは、世代が変わっても大事にされていた。『巡礼』といったら違うかもしれないが、まさに心が洗われるよう」と話し、「繋がりをこれからも大切にし、日系社会にできることをしっかりと考えていきたい」と感慨深げに語った。

 

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 灯籠流しの夜を盛上げたマツリダンス。J―POPに合わせた煩雑で激しい踊りで、いわば若手向きの盆踊りだ。櫓で手本を見せる青年を見よう見まねで次々と輪に加わってダンスを楽しんだ。マリンガ発祥と言われるマツリダンスだが、レジストロ文協関係者に聞いたところ、何でも青年部同士の横の繋がりで同地にも波及し、5年ほど前から当地でも盛んになってきたとか。
     ◎
 レジストロで生産するおばあ茶んは新メニューを考案。タピオカをカラメルで着色し粒状にした「タピオカパール」入りのミルクティーだ。最近東洋街の製菓店「一力」(Rua dos Estudantes, 24)でも取り扱い始めた。また「ティー・ステーション・カーザ・デ・シャ」(Rua da Gloria,283)にも同メニューがある。日本では女性から大人気のタピオカパール。もちもちした食感がやみつきになるかも。