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汚職防止法改正案=検察庁が猛烈な抗議=デラソン企業の無罪化など=ジウマのMPの内容に酷似=政府は来週投票を望むも

デウタン・ダラグノル捜査官(Zeca Ribeiro/Câmara dos Deputados)
デウタン・ダラグノル捜査官(Zeca Ribeiro/Câmara dos Deputados)

 連邦検察庁は9日、「汚職防止法」の中の企業を対象とする「報奨付供述(デラソン・プレミアーダ、司法取引)」に関し、デラソンに応じた企業やその関係者には見返りとして捜査を打ち切りにするなどの内容を含む改正案が下院で出回ったことを知り、緊急の記者会見を開き、「これまでの捜査を台無しにし、企業関係者の処罰を無効化するもの」と抗議した。10日付現地紙が報じている。

 今回、検察庁が問題としているのは、2014年発効の「汚職防止法」の中の、企業向けの司法取引(アコルド・デ・レニエンシア)に関する改正法案で、その報告官は下院政府リーダーのアンドレ・モウラ下議(キリスト教社会党・PSC)がつとめるという。
 同法案は9日に各政党の下院リーダーに書面で配布されたのみで、下院への正式な提出はまだだが、その中身を知った検察庁が、緊急に会見の場を設けた。
 改正法案に記載されている内容で問題視されているのは、司法取引に応じた企業や企業家に対しては、見返りとして刑の免除や容疑に関する捜査の打ち切りを認めるといった点だ。
 現在、ラヴァ・ジャット作戦の最も大きな捜査対象である、ペトロブラスの事業契約に関する不正(ペトロロン)に関しては、28もの企業がカルテルや資金の横流しに関わったことが判明している。この中では既に、アンドラーデ・グティエレスやカマルゴ・コレアなどがデラソンに応じており、アンドラーデは罰金10億レアルをペトロブラスに払うことにも同意している。
 記者会見に参加したデウタン・ダラグノル捜査官は、「こうした法案が通ると、企業側が不正口座の差押金やペトロブラスに返金した罰金を取り戻す危険性が生じる」と抗議した。また、カルロス・フェルナンド・ドス・サントス・リマ捜査官も「あらゆる企業が懲罰やその後の捜査を免れるために雪崩式にデラソンに応じることになってしまう」と批判した。
 また同法案には、「デラソンで得た証拠を他の捜査の証拠として使用することを禁ず」「企業の事件捜査への連邦会計調院(TCU)の介入を除外」「減刑対象を供述者全員に拡大」「すべての供述を司法取引として認める(強制化)」などの変更が記載されている。
 リマ捜査官は「この改正案が通過したら、既に逮捕されたり有罪判決を受けたりした企業家たちも無罪となってしまう」と懸念を隠さなかった。
 同法案は2015年末に、当時のジウマ大統領が出した暫定令(MP)703号に内容が似ている。このMP703は検察が問題視したため、議会で承認されないまま、有効期間が過ぎた。
 9日に出回った改正法案は10日に下院で発表され、来週にも投票にかけられる予定だったが、民主社会党(PSDB)などが内容に反対し、連立与党内の合意さえとれていないという。

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