【既報関連】今年度の赤字は既に175億レアルに上るとされ、財政破綻で非常事態宣言も出しているリオデジャネイロ州政府が4日に打ち出した改善策が、公務員から強い反対を受けており、州が対応に苦慮していると9、10日付伯字紙が報じている。
州政府の改善策を不満とする公務員の抗議行動は8、9と連日で起きており、16日にも繰り返される予定だ。
8日の抗議行動は保安関係の公務員を中心として行われ、州議会内に参加者が乱入した参加者らが本会議場を占拠。議場や副議長執務室などでの破壊行為も見られた。
9日も州議会前で、司法、教育その他の部門の公務員を中心とした抗議行動が行われた。ただ、8日は軍警の特殊部隊も派遣されたのに抗争は起きなかったのに対し、8日は軍警と抗議行動参加者の抗争が起き、けが人なども出た。
公務員にとって最大の不満の種は、州の社会保障費の徴収額を給与の30%に引き上げる案だ。給与や恩給が5189・92レアル以上の人の徴収額は11%から14%に上がり、最低16カ月間、16%の追加徴収も行われる。前記額未満の人は徴収免除だったが、30%徴収となる。
社会保障費徴収額の引き上げに対する反応は、8、9日の抗議行動だけではなく、8日には、州議員からの訴えを受けた裁判所が社会保障費徴収に関する案件を差し止める暫定令を出した。また、9日にはジョルジ・ピシアニ州議会議長(民主運動党・PMDB)が、改善策に関する審議は16日から始めるが、同案件は対象から外し、州政府に差し戻すとの意向を表明した。
4日に州政府が発表した改善策には、同案件以外にも、17~19年の給与調整の先送りや、現在は20ある部局を12に統廃合する、正副知事や局長などの役職者給の30%カット、司法や行政、立法の各部門への払い出し額は予算案ではなく、歳入に基づいて決める、州税である商品流通サービス税引き上げなどが含まれている。
州政府の見込みでは同州の財政収支が黒字に転じるのは2022年。州議員らからは国の援助を求める声も出ているが、テメル大統領は8日、五輪期間中の治安維持などの目的で29億レアルの援助を行った事などを挙げ、これ以上の支援は困難との見方を示した。ルイス・フェルナンド・ペゾン知事(PMDB)は「国も大赤字を抱えており、当てには出来ない」とし、各方面との対話や金策を試みている。
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