昨年8月以降、北東部を中心に発見され、ジカ熱からの発症が有力視されている小頭症児が、現在は、サンパウロ州やリオデジャネイロ州などの南東部で増えてきていると6日付エスタード紙が報じている。
連邦政府が昨年11月11日に緊急事態宣言を出して以来、母親のジカ熱感染が原因とされる小頭症児は2079人確認されており、3077人についても、ジカ熱との関係が疑われている。
この宣言の頃より全国的な拡大は恐れられていたが、小頭症児は当初、最初にジカ熱との関係が指摘されたペルナンブッコ州の州都レシフェをはじめ、バイア州など、北東部を中心に確認され、南東部では症例が極めて少なかった。
だが、リオ州の場合、2月7日の時点では2人だけだったジカ熱による小頭症児が、10月16日には70倍となる140人に達した。リオデジャネイロ市で確認された小頭症児は110人で、バイア州サルバドール市に次ぐ、全国で2番目に小頭症児の多い市になっている。
また、4月24日の時点ではじめて8人の小頭症児を確認と公式発表したサンパウロ州では、その後半年で症例数が46人に増えた。特に8月から10月にかけての症例は3倍増だという。サンパウロ市で確認された小頭症児は13人で、それ以外の症例は、リベイロン・プレットやグアルーリョスなど、19市で確認されている。
さらに心配なことに、「ジカ熱との関係が疑われる小頭症児」はリオとサンパウロ両州で合わせて700人以上いるという。
保健省によると、南東部での症例は、北東部と大きく異なる点があるという。それは、北東部では、小頭症児の症例数が時期ごとに大きく変動し、いわゆる流行状態まで起きたのに対し、南東部では、数カ月前生まれた子供にジカ熱感染の影響が確認されるなど、同じようなペースで増え続けているという。
北東部では、ジカ熱を媒介するネッタイシマカが大量発生する時期と連動するようにして小頭症児の誕生例が増えていたが、南東部ではこうした傾向はないという。
北東部では小頭症児を扱える専門医や病院が不足し、適切な治療開始が遅れるなどの問題も残っている。
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