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第6回南米婦人の集い=レジストロ、皆で村おこし=(4・終)=故郷偲ぶ土地に再訪願う

3日間過ごした土地で意見交換に力が入る

3日間過ごした土地で意見交換に力が入る

 最終日の17日は午前8時にホテルを出発し、セッテ・バーラス市の曲尾バナナ園の視察に向かった。
 収穫したバナナの洗浄や、選定する工場で収穫から出荷についての説明を受けた後、バナナ農場の見学を希望する声が上がった。バスで揺られながら園内を移動し農場へ到着すると、婦人らは初めて訪れる農場でバナナの木を見上げ、「初めて見た!」と歓声を上げた。
 最後に文協を訪れ、意見交換や発表会が始まった。約50人が5チームに分かれ、今大会の感想、レジストロ観光事業についての提案、次回の集い開催地について30分間話し合った。
 今大会の旅程を中心となって計画した滝井孝子さん(72、北海道)は、婦人らの議論が段々と熱を帯びてくる様子を感慨深げに見つめながら、「できたら良いなとは思っていたが、まさかレジストロで開催するとは考えたこともなかった」と振り返った。
 第6回南米婦人の集いは当初、グァタパラで行われる予定だった。しかし、現地婦人部リーダーの体調不良により、6月半ばにレジストロに変更された。
 レジストロから婦人の集いに参加していたのは彼女だけだったためが、清水さんや福澤文協会長、宇都宮レジストロ農協婦人会長らとひざを寄せ合い話し合った。「レジストロを知ってもらいたい」「日にちは『青葉祭り』から始めたら?」と、農業観光という主旨を軸に旅程が固まっていったという。
 最後に「レジストロに来てくれた皆さんとCKCに感謝している」と記者に語ると、タイミングよくアラームが鳴り意見交換時間が終了した。
 生産から加工、流通販売までを行う〃6次産業〃を実践している工場など視察し、勉強になったと大満足の参加者が多く、また「販売と共にレシピなどもつけてみては」という主婦ならではの発想が聞かれた。
 さらに幸坂さん(パラグアイ)のグループから出た、「リベイラ河でバンジージャンプやボートなどのアクティビティも取り入れてみてはどうか」というユニークな意見には、感心の声とともに笑いが起きた。
 発表会後、参加者全員で手を繋ぎ輪になり、「ふるさと」、「今日の日はさよなら」など合唱、歌い終えると感涙し「またね」と抱擁を交わした。
 今集いの全日程が終了し、パラグアイ・アスンシオン婦人部の浜頭ジェニーさん(49、二世)は、「女性はなんでもできる! 一人一人の持つやる気と決断で、未来が作られると実感した」と元気一杯に語った。
 レジストロ農協婦人会の宇都宮会長、大屋良子さんに発表会について聞くと顔を見合わせ、希望と不安が入り混じった表情で、「発表を聞いて色々なことがわかった。時間があるかわからないが、観光地化に向けて真剣に取り組まなければ」と答えた。
 CKCの大森さんは今回の集いを終え、「観光地になる魅力的な要素は多くある。これからそれを整理し、何に力を入れていくか。同地が立ち上がるきっかけになってもらえれば」と期待した。
 サンパウロ州ツルボランジアの高島三千代さん(74、福井)は集いを振り返り、「良い所だった。故郷のような、懐かしい感じがして。また来たい」と微笑んだ。
 午後1時半頃、一行はレジストロ側の参加者に手を振りバスに乗り込んだ。穏やかに日が照る市街を眺めふるさとを思いながら、それぞれの生活する土地に帰っていった。(おわり、國分雪月記者)