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F1ブラジルGP=フェリペ・マッサが最後の花道=途中リタイアも惜しみない大歓声

ブラジルでの最後のレースに臨むマッサ(Studio Colombo/Pirelli)

ブラジルでの最後のレースに臨むマッサ(Studio Colombo/Pirelli)

 11~13日にサンパウロのインテルラゴス・サーキットで行われたF1のブラジルGPはルイス・ハミルトンの優勝に終わったが、同時にこれは、長年ブラジルを代表するレーサーだったフェリペ・マッサの引退の花道レースでもあった。
 マッサは2002年にザウバーのレーサーとしてF1に参戦以来、ルーベンス・バリチェロと共にブラジルを代表するF1レーサーとして活躍し続けていた。2006年には名門フェラーリに移籍。2008年にはハミルトンと世界チャンピオンの座を最後まで争い、僅差で2位になるなど期待された。
 翌2009年のハンガリーGPで頭蓋骨損傷の大怪我をしてからは、以前のような好成績が取れなくなったが、それでもバリチェロ引退後もブラジルのF1界を代表し続け、2014年にウィリアムズに移籍した後も奮闘し続けていた。
 そんなマッサも、35歳の今年、遂に引退を迎えることとなった。最後のレースそのものは、2週間後にアブダビで開催される今季最終戦のGPとなるが、ブラジル、それもインテルラゴスのあるサンパウロ出身のマッサにとっては、13日のレースが引退レースといっても過言ではなかった。
 マッサはこの日、ユニフォームとヘルメットに、青と緑と黄色をあしらった。ブラジルが生んだ、あの「音速の貴公子」、アイルトン・セナが示した国の誇りと同じ色を施し、自分を育ててくれたブラジルに感謝を捧げた。
 レースそのものは必ずしも会心のものではなかった。予選の結果、13日の決勝は12位スタート。しかも、1日中雨と、コンディションが悪い中のレースとなった。そして13位で通過していた48周目、愛車は入り口近くに衝突してクラッシュ。そのまま、デビューした2002年以来のインテルラゴスでのリタイアとなった。
 だが、つめかけた観客はマッサに対し、これまでの労をねぎらうように、温かいスタンディング・オヴェーションで迎え、「オレ・オレ・マッサ!」の大歓声もあがった。
 「レースで完走できなかったのはもちろん本意じゃなく、悔しい。でも、応援してくれた人たちの気持ちにはすごく感謝している。今日のことはずっと忘れないよ」とマッサはファンに感謝の気持ちを示した。
 なおこの日のレースでは、今季F1で2年目となる24歳のフェリペ・ナスルが、伸び悩んで苦しんだ今季の中では自己最高となる9位を記録した。これからは同じフェリペでも、このナスルがブラジルのF1の顔となる。(14日付アゴラ紙などより)