ブラジル経済にもトランプショック=大統領選以来8%のドル高レアル安に=ブラジルの金利引き下げにも影響=危機感募らせたブラジル中銀がレアル買い介入

8日に行われた米国大統領選で、共和党のドナルド・トランプ氏が当選して以来、ドル高傾向が高まり、金利政策などにも影響が出そうだと15日付現地紙が報じた。
14日の為替市場は、直前営業日、11日の終値と比べて1・47%ドル高の1ドル=3・4458レアルを記録した。
選挙の行われた11月8日以来、5営業日連続のドル高レアル安で、この期間にドルは対レアルで8%上昇した。
政治経験に乏しく、過激な言動で支持を集めたトランプ氏の当選は、米国の経済の先行きに不透明感をもたらし、ブラジル経済への影響も不可避だ。
ブラジル中銀は、国内のインフレが沈静化してきた事で、経済基本金利(Selic)を段階的に引き下げる方針だったが、ドル高により金利引き下げのペースは弱まるだろうとの見方が出ている。
経済の専門家達の間では先週まで、今月末の経済政策委員会(Copom)では、Selicを現行の14%から0・5%ポイント引き下げると予想する声が大方だったが、今では引き下げ幅は0・25%ポイントで終わるのではないかとの声が大勢を占めている。
大手銀行イタウの経済分析班は、「金融市場は今後数週間、〃トランプショック〃に振り回される可能性が高く、この時期にSelic引き下げに向けてアクセルを踏むのはリスクが高い。よってブラジル中銀は、引き下げのペースを鈍化させる可能性が高い」とのレポートを発表した。
米国の経済学者達はトランプ氏の当選で米国政府が公共投資その他の支出を拡大すると見ているが、これはインフレ要因となるため、米国の〃中銀〃である連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために利上げに踏み切り、ドル高がさらに進む可能性が高い。ドル高は、ブラジルにとっても大きなインフレ要因となる。
ブラジルのインフレ要因が強いうちは、中銀もSelic引き下げに慎重にならざるを得ない。
ドル高に危機感を募らせたブラジル中銀は11日以降、スワップ取引による市場介入を行っている。これは一定レートで相手国の中銀から借りた通貨を市場に流して市場の流通量を操作するものだ。共和宣言記念日の祝日が明けた16日、中銀が介入の規模を拡大したため、16日午後4時現在の為替相場は、直前営業日比で0・46%ドル安の、1ドル=3・4298レアルとなっている。